質問主意書

第146回国会(臨時会)

答弁書


第百四十六回国会答弁書第一一号

内閣参質一四六第一一号

  平成十二年一月二十八日

内閣総理大臣 小渕 恵三   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員櫻井充君提出マグロ類の輸入に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員櫻井充君提出マグロ類の輸入に関する質問に対する答弁書

一について

 平成十年における我が国のまぐろ類(くろまぐろ、みなみまぐろ、びんなが、めばち、きはだ、その他のまぐろ類をいう。以下同じ。)の総供給量は約六十万三千トンであり、そのうち輸入量は約二十九万二千トンで総供給量の四十八パーセントを占める。
 なお、便宜置籍漁船からのまぐろ類の正確な輸入量は把握していないが、平成十一年十一月に開催された大西洋まぐろ類保存国際委員会(以下「ICCAT」という。)通常会合において作成された無報告及び無規制な漁業活動を行っている漁船のリストに掲載されている漁船からの平成十年における我が国へのまぐろ類の輸入量は、おおよそ四万トン前後と推定される。

二について

 まぐろ類の輸入に当たっては、大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約(昭和四十四年条約第一号)等の条約及びまぐろ資源の保存及び管理の強化に関する特別措置法(平成八年法律第百一号。以下「まぐろ資源保存管理法」という。)等の法制度に基づき、まぐろ類資源を維持・管理するための措置が講じられている。
 具体的には、大西洋くろまぐろのベリーズ及びホンデュラス共和国からの輸入については平成九年九月から、パナマ共和国からの輸入については平成十年一月から、ICCATの勧告に従い、まぐろ資源保存管理法第六条、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第五十二条及び輸入貿易管理令(昭和二十四年政令第四百十四号)第三条第一項の規定に基づき、通商産業大臣の承認を受けなければならないこととなったところである。また、平成十一年十一月に開催されたICCAT通常会合では、ベリーズ、ホンデュラス共和国その他九か国に対し、ICCATが採る資源管理措置の効果を損なわないようにするためのすべての措置を採ることが要求された。
 さらに、みなみまぐろ保存委員会(以下「CCSBT」という。)においては、非締約国及び非締約地域の加盟又は協力を促進する対策について検討を行っている。
 我が国としては、便宜置籍漁船からのまぐろ類の輸入問題の解決は重要であると考えており、今後とも、便宜置籍漁船の操業実態の調査を強化する等の措置を講じていくとともに、ICCAT、CCSBT、国際連合食糧農業機関等の関係国際機関に対し必要な情報提供を行い、便宜置籍漁船対策を積極的に進めるよう働きかけていく所存である。