質問主意書

第146回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一六号

東京の廃棄物問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十一年十二月十四日

中村 敦夫   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   東京の廃棄物問題に関する質問主意書

 東京の廃棄物問題に関する質問への答弁書(平成十一年四月二十三日付け。以下「答弁書」という。)において、依然として不明の点があるため、以下のとおり質問する。なお、同様の文言が並ぶ場合でも、各項目ごとに平易な文章で答弁していただきたい。

一 柳泉園組合が東京都に提出した「事後調査報告書-工事の施行中(その一)柳泉園組合清掃工場建設事業(平成十一年二月)<柳泉園組合作成>」によると、十七頁の表二・三-三工事工程の中で、当初平成九年度中に予定していた第一期工事の「杭・山留工事」が同年度中には行われず、平成十年度に行われたことが、工事実績として示されている。また、プラント工事は、当初の予定としても平成十年度途中から開始されることになっており、この事後報告の作成(平成十年九月以降)時点でも何らの工事実績がないと示されている。
 同組合が補助金交付申請した燃焼用火格子支持架台を含む燃焼設備の製造工事は、このプラント工事の一部である。同組合は、環境影響評価の事後調査報告書においてプラント工事の実績がないと報告しつつも、政府への補助申請では竣工したと実績報告書に記載しているが、それに対する政府の見解を明らかにされたい。

二 同事後調査報告書八十六頁<平成十年六月撮影>写真三・四-一「山留め壁の設置状況」によると、その撮影時点で、工事現場にブルドーザーが入り穴を掘っている状況であったことが示されている。
 この写真から、柳泉園組合が補助金交付申請をした時点(平成十年三月十日)で、平成九年度中に同組合所在地(東京都東久留米市下里四丁目三番地十号)を施行場所として、燃焼用火格子支持架台の製作を行っていないことが明白であると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

三 「答弁書六の1から6までについて」について

1 「平成九年度には燃焼用火格子支持架台を含む燃焼設備の製造の事業を行い、当該燃焼設備の設置等の事業は平成十年度以降に実施」とあるが、交付申請書によると「製作」と記載され、「製造」と「設置」に分けられていない。この答弁は、何を根拠としているのか。また、当初の予定では、平成九年度の補助対象事業は「杭・山留工事」であったが、変更の経緯はどうなっているのか。それぞれ明らかにされたい。
2 「共通仮設費、現場管理費、一般管理費等の経費は、当該燃焼設備の製造工事に伴う水道光熱費、管理費等の経費である」とあるが、一で示したとおり、柳泉園組合が「当該燃焼設備の製造工事」を同組合所在地で行っていないことは明白である。実際、同組合自身も、火格子支持架台等、燃焼設備の部品の生産を請負業者の住友重機の工場内で行ったとして、その部品の出来形に対して代金を支払ったことを明らかにしている。
 通常は、生産代金に、材料費、加工組立費、その他水道光熱費等の間接経費を含むが、なぜ、同組合は、メーカー工場内での生産に対して水道光熱費等の諸経費を別途支払い、政府はそれを認めたのか、法的な根拠とともに理由を明らかにされたい。
3 「燃焼設備については、建築基準法第六条の規定に基づく建築確認を受ける必要がない」とあるが、清掃工場建屋の建設着工には建築確認が必要であり、その建屋ができていない状況でプラント工事の着工はあり得ないと考える。また、保守点検や管理費用等の点を考えて、プラントを設置する一年以上も前からプラント用構成部品の生産に入る必要もなく、生産部品に対して先に代金を支払うということも通常ならば考えられない。
 燃焼設備は、実際に設置し、試運転して初めて稼働可能か否かが判断できる。だが、炉本体、火格子に加熱した空気を送る装置、火格子の可動部分を動かすためのシリンダー、モーターを含む駆動装置、支持架台をすえつける炉壁等がない状態で、何を製作完成させたというのか、理解に苦しむ。
 この点について、平成九年度中に予定していた第一期工事の「杭・山留工事」に入れなかったため、燃焼設備の製作をしたことにして補助交付を予定通り受けようとしたのではないかという指摘がなされていると聞くが、政府の見解を明らかにされたい。

四 「答弁書六の7について」について

1 柳泉園組合は、平成十年度の交付申請として、プラント工事に「受入供給設備」「燃焼設備」「燃焼ガス冷却設備」「排ガス処理設備」「余熱利用設備」「通風設備」「灰出し設備」「電気設備」「雑設備」等の各種機器の製作を平成十一年三月三十一日までに柳泉園所在地にて行うとして、国庫補助申請を行っている(平成十一年三月十五日)。
 しかし、同組合が平成十一年六月に同組合議会に提出した報告書によると、建屋が未完であり、諸設備の設置を平成十一年度中に行うとしている。そして、柳泉園所在地で交付申請書に記載された各種機器も製作されていない。
 なぜ、政府は、このような状況であるにもかかわらず、補助金(平成十年度)を交付し、平成十一年度分まで前倒しできたのか、明らかにされたい。
2 灰熔融炉建設(第二期工事予定)を止めたことに伴い事業計画が変更されたことによって、第一期工事として予定していた建設工事の設計内容も変更され、その変更に約三カ月かかることが平成十年十二月の柳泉園議会で明らかになった。
 なぜ、政府は、事業全体に影響を与える変更がなされたにもかかわらず、変更以前の計画に基づき補助交付をしたのか、明らかにされたい。

  右質問する。