質問主意書

第146回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

米軍普天間飛行場返還に伴う代替施設の使用期限及び使用形態に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十一年十一月一日

照屋 寛徳   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   米軍普天間飛行場返還に伴う代替施設の使用期限及び使用形態に関する質問主意書

 平成八年十二月二日に「普天間飛行場に関するSACO最終報告」(以下「最終報告」という。)が発表されてから、間もなく満三年になろうとしている。この間、最終報告で提示された海上ヘリ基地案は、大田昌秀前沖縄県知事によって拒否され、平成九年十二月二十一日に実施された名護住民投票でも拒絶された。稲嶺恵一現沖縄県知事も知事選挙の際には海上ヘリ基地反対を公約し当選したのであるから、海上ヘリ基地案は沖縄県民の総意として拒否されたものと理解すべきである。
 最終報告における米軍普天間飛行場代替施設建設が未だに実行に移されないのは、移設先を沖縄県内に限定しているからである。
 去る十月二十三日、「普天間基地・那覇軍港の県内移設に反対する県民大会」(主催・基地の県内移設に反対する県民会議)が開催され、一万二千人が参加した。
 私は、米軍普天間飛行場の代替施設は、沖縄県内ではなく、県外に移すべきと考える。戦後五十四年、膨大な米軍基地の提供を強いられ、わが国の安全保障のための犠牲と負担を強いられてきた沖縄に新たな基地を建設することは絶対に容認できない。これが、素直な県民の総意であると信ずる。
 よって、次の点について質問する。

一、平成十一年十月二十三日、青木幹雄官房長官、河野洋平外務大臣、野中広務自民党幹事長代理が稲嶺恵一沖縄県知事と面談した折、稲嶺知事から米軍普天間飛行場移設候補地の提示の際には「軍民共用と十五年の使用期限を条件として提示する」旨伝えられた、とマスコミで報ぜられているが、それは事実か明らかにされたい。
 また、同月二十八日、稲嶺知事は、瓦力防衛庁長官にも同様の考えを伝えたと報ぜられているが、それは事実か明らかにされたい。

二、私は、平成十一年二月十日、「米軍普天間飛行場返還に伴う代替施設としての海上ヘリ基地建設に関する質問主意書」を提出した。
 この質問主意書で「米軍普天間飛行場の代替施設は、予めその使用期限を定めることは可能か。」と質したのに対し、政府は、同年二月二十六日付け答弁書で「一般論として申し上げれば、使用期限を明示することについては、将来の国際情勢など様々な要因とも関連するため、困難であると考えている。」と返答している。
 そこで、一般論ではなく、具体論として、最終報告における米軍普天間飛行場の代替施設は予め十五年の使用期限を定めることは可能か明らかにされたい。

三、同じく、私の前記質問主意書で「米軍普天間飛行場の返還に伴う代替施設は、軍民共用が可能な施設であるとの日米間の合意があったのか。」と質したのに対し、政府は、「指摘のような日米政府間の合意はない。」と返答している。
 また、政府は、最終報告における海上ヘリ基地案の採用について、「安全、騒音、運用、技術的側面、環境及び経費の要素を考慮しつつ・・・米軍の運用能力を維持するとともに、沖縄県民の安全及び生活の質に配慮するとの観点から、最善の選択肢であると判断されたものである。」とも返答している。
 ところが、稲嶺知事は、米軍普天間飛行場の代替施設の使用形態を「軍民共用」にするとの条件を、自らの譲れぬ公約として政府に提示すると明言している。
 最終報告における米軍普天間飛行場の代替施設は「軍民共用」とするとの日米両政府の合意はあるか、ないとするなら「軍民共用」とすることについての新たな日米両政府の合意形成を図る意思があるか明らかにされたい。

四、米軍普天間飛行場の代替施設に関し、最終報告で提示された海上ヘリ基地案とは別に、陸上案、埋立案等が取りざたされている。
 海上ヘリ基地案以外の建設案が稲嶺知事から提案された場合、日米両政府間の合意形成の作業はいかなる手順で進められるのか明らかにされたい。

  右質問する。