質問主意書

第145回国会(常会)

答弁書


答弁書第一四号

内閣参質一四五第一四号

  平成十一年四月十六日

内閣総理大臣 小渕 恵三   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員照屋寛徳君提出日米合同委員会に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員照屋寛徳君提出日米合同委員会に関する質問に対する答弁書

一について

 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第五条1に関連して、昭和三十七年一月二十五日、日米合同委員会において、アメリカ合衆国軍隊(以下「米軍」という。)の管理の下に運航される航空機が我が国の空港に着陸する際の手続について合意された。これは、当該航空機が日米地位協定第五条の適用ある航空機であることを空港関係者が容易に確認できるよう、米軍当局から空港関係当局に対し、同航空機が米軍の管理の下に運航されていることを明らかにする書面を発出する手続を取りまとめたものである。

二及び三について

 日米合同委員会は、日米地位協定第二十五条に基づき、日米地位協定の実施に関して相互間の協議を必要とするすべての事項に関する協議機関として設置されているところ、平成九年九月二十三日以降開催された同委員会の開催日及び場所については、別表のとおりである。また、組織については、別紙のとおりである。
 なお、合意事項及び協議事項については、施設及び区域の提供、返還等に関する事項、低空飛行訓練に関する事項等である。また、これまでの日米合同委員会において、周辺事態に際しての日米間の協力について協議が行われたことはない。

四について

1 一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されず、このことは、我が国に駐留する米軍についても、同様である。
 しかしながら、このことは、米軍がその活動に際し、我が国法令を無視してよいことを意味するものではなく、外国軍隊が接受国の法令を尊重しなくてはならないことは当該軍隊を派遣している国の一般国際法上の義務であると考えられる。日米地位協定第十六条が、米軍の構成員及び軍属による日本国の法令の尊重義務を定めているのも、かかる考えに基づくものである。
2 日米地位協定第五条に関する合意議事録4において、「この条に特に定めのある場合を除くほか、日本国の法令が適用される。」と規定されている。同議事録4にいう「日本国の法令」とは、日米地位協定第五条の趣旨からして、同条にいう船舶、航空機等の通行主体の通行行為自体を通行秩序の維持の観点にたって規制する法令を指すものと解されているところである。したがって、このような法令に該当しないものについては、適用が除外される。
3 特に、日米地位協定第五条にいう航空機については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律(昭和二十七年法律第二百三十二号)において、当該航空機及び当該航空機に乗り組んでその運航に従事する者について、航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)の規定の一部について適用を除外する旨定められている。また、日米地位協定第五条にいう船舶については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う水先法の特例に関する法律(昭和二十七年法律第百二十四号)において、当該船舶の船長について、水先法(昭和二十四年法律第百二十一号)第十三条の規定について適用を除外する旨定められている。
4 以上のことは、沖縄県に駐留するアメリカ合衆国海兵隊が沖縄県道一〇四号線越え実弾砲兵射撃訓練を本土に移転して行った訓練に際し、同海兵隊の人員及び銃器、りゅう弾砲等の物資を輸送するため、我が国に駐留する米軍からの調達の依頼を受けて防衛施設庁が借り上げ、日米地位協定第五条が適用された航空機及び船舶についても妥当するものである。

別表 平成九年九月二十三日以降開催された日米合同委員会 1/3

別表 平成九年九月二十三日以降開催された日米合同委員会 2/3

別表 平成九年九月二十三日以降開催された日米合同委員会 3/3

別紙 日米合同委員会組織図