質問主意書

第145回国会(常会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一四五第四号

  平成十一年二月二十六日

内閣総理大臣 小渕 恵三   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員照屋寛徳君提出米軍普天間飛行場返還に伴う代替施設としての海上ヘリ基地建設に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員照屋寛徳君提出米軍普天間飛行場返還に伴う代替施設としての海上ヘリ基地建設に関する質問に対する答弁書

一について

 普天間飛行場の返還に伴う代替施設については、安全、騒音、運用、技術的側面、環境及び経費の要素を考慮しつつ、嘉手納飛行場への集約案、キャンプ・シュワブにおけるヘリポート建設案並びに海上施設の開発及び建設案の三案につき、日米間で総合的な検討を行った。その結果、SACO最終報告において、海上施設案は、他の二案に比べ、米軍の運用能力を維持するとともに、沖縄県民の安全及び生活の質に配慮するとの観点から、最善の選択肢であると判断されたものである。また、海上施設は、軍事施設として使用する間は固定施設として機能し得る一方、その必要性が失われたときには撤去可能なものであることも考慮された。

二について

 普天間飛行場の返還に伴う代替施設としての海上施設案については、現時点において、これを見直すためにアメリカ合衆国政府と交渉することは考えていない。他方、政府としては、従来から、地元の頭越しに進める考えはない旨表明しているところであり、今後、稲嶺沖縄県知事の意見を十分聴きつつ、本件の解決に向け、真摯に取り組む考えである。

三について

 御指摘のような日米政府間の合意はない。

四について

 一般論として申し上げれば、使用期限を明示することについては、将来の国際情勢など様々な要因とも関連するため、困難であると考えている。
 現在、我が国が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二条に基づきアメリカ合衆国に提供している施設及び区域のうち、施設及び区域の全体について使用期限を付しているものには周防灘訓練区域があり、施設及び区域の一部について使用期限を付しているものには立神港区がある。なお、これらについて使用期限を付しているのは、前者については、時期を特定して実施される海上自衛隊とアメリカ合衆国海軍との共同訓練の間提供するものであり、また、後者については、既提供建物等の建て替えに伴う機材等の一時的な保管場所として所要の工事が完了するまでの間提供するものであるためである。
 また、アメリカ合衆国に施設及び区域として提供するため、国が土地等の所有者と締結する賃貸借契約の期間は、一般に、昭和四十七年四月二十六日の衆議院法務委員会において示した政府見解にあるように、駐留軍が使用する期間とする趣旨のものであり、民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百四条により二十年を経過したとき満了するものであるが、現時点において、御指摘の公約の使用期限と賃貸借契約の期間との関係を論じることはできないと考えている。