質問主意書

第145回国会(常会)

答弁書


答弁書第二号

内閣参質一四五第二号

  平成十一年三月二十六日

内閣総理大臣 小渕 恵三   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員小川勝也君提出資金管理団体等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員小川勝也君提出資金管理団体等に関する質問に対する答弁書

一について

 政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号。以下「法」という。)においては、政治団体を設立することができるものについて特段の制限はなく、また、資金管理団体の指定についても、公職の候補者が、その者がその代表者である政治団体のうちから指定するものである限り、特段の制限はない。

二について

 資金管理団体を指定できる「公職の候補者」には、法第三条第四項の規定により、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第八十六条から第八十六条の四までの規定による届出により公職の候補者となった者のほか、当該公職の候補者となろうとする者及び同法第三条に規定する公職にある者も含まれる。

三及び四について

 法第四条第二項の「党費又は会費」については、その額の上限を定めた規定はない。
 ただし、法第五条第二項において、法人その他の団体が負担する党費又は会費は、寄附とみなすこととされていることから、企業等の団体が資金管理団体に対して負担する会費についても、法の寄附に関する制限の規定が適用される。
 また、御質問の金銭の徴収に際して商法(明治三十二年法律第四十八号)、刑法(明治四十年法律第四十五号)等の罰則規定に該当する行為がある場合には、処罰の対象となるものである。

五について

 政治団体が特定パーティーを含む政治資金パーティーを開催することには法の制限はない。また、法に定められた制限の範囲内で、企業等にパーティー券の販売を働きかけることは可能である。
 ただし、これに際して商法、刑法等の罰則規定に該当する行為がある場合には、処罰の対象となるものである。

六の(ア)について

 政治団体及び資金管理団体の数のうち御質問の「総会屋等」が関与して設立されたものの数は把握しておらず、また、調査を行う考えはない。
 平成二年以降の暴力団構成員及び準構成員、いわゆる総会屋等並びに社会運動等標ぼうゴロによる政治資金規正法違反事件の件数は、警察庁において把握しており、平成二年は五件、平成三年は四件、平成四年は三件、平成五年は二件、平成六年は十八件、平成七年は七件、平成八年は七件、平成九年は八件、平成十年は二十件となっている。

六の(イ)について

 御質問の政治団体は法第二十六条第三号及び第二十八条の三第一項の規定により、その役職員は法第二十六条第三号の規定により、それぞれ処罰されたものであるが、同団体が資金管理団体であった場合は、これらの規定により処罰されることはない。

七について

 憲法第二十一条が保障する結社の自由といえどもあらゆる場合に無制限に保障されなければならないものではなく、公共の福祉による必要かつ合理的な制限を受けることがあるものであるが、特定の範囲の団体及びその構成員等による政治団体の設立に何らかの制限を加えることについては、憲法第二十一条等の規定に照らして、慎重な検討を要するものと考えられる。
 御質問のような法改正をこれまで検討したことはないが、寄附、会費及び政治資金パーティーに係る対価の支払の収受等に際して、法第二十六条の四第一号及び第二号の規定に該当する行為がある場合のほか、商法、刑法等の罰則規定に該当する行為がある場合には、処罰の対象となるものである。