質問主意書

第145回国会(常会)

質問主意書


質問第一六号

中央省庁等改革における水道行政のあり方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十一年四月十六日

福本 潤一   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   中央省庁等改革における水道行政のあり方に関する質問主意書

 二十一世紀の日本をより自由で公正な社会とするためには、肥大化・硬直化し、制度疲労を起こしている現在の行政システムを根本的に改め、簡素にして効率的かつ透明な政府を実現する必要がある。
 そのため、国が本来果たすべき役割を重点的に担い、かつ有効に遂行すること等を内容とする中央省庁等改革は、極めて重要である。
 その点で、内閣機能を充実強化して政治のリーダーシップを確立することや中央省庁を行政目的別に大括りして一府十二省に再編すること等を定めた中央省庁等改革基本法(以下「基本法」という。)が去年の通常国会において制定されたところであるが、直面する困難な課題を解決するためには、総合性・戦略性・機動性に富んだ行政システムの確立が急務である。
 現在政府においては、二〇〇〇一年一月の省庁再編を目標に、今通常国会に中央省庁等改革関連法案を提出すべく準備が進められているようであるが、中央省庁等改革を単なるつじつま合わせではなく、実効ある改革としていくことが不可欠であり、新省庁の権限、任務等の具体像について、国民的な議論を尽くす必要がある。
 その中において、安全な水道の確保等に関する水道行政は、基本法では食品衛生行政と共に厚生労働省の所管とされているが、環境省の所管の下で廃棄物行政と共に環境行政の一環として行われるほうが政策目的をより効果的に確保できると考える。なお、下水道の所管についての議論もあるが、依然として施設の建設・拡大が求められる下水道と、既存施設の管理や環境中の水質保全が重要な上水道とでは、全く異なる状況にあると考える。
 以上の観点より、中央省庁等改革における水道行政のあり方について以下の質問をする。

一、水道水の安全確保対策としては水源の水質保全が最も重要であり、これは環境行政(水質保全行政)の一環であると考えられる。一方、食品の安全確保対策の重点は食品の加工・製造段階における対策に置かれており、水道行政及び環境行政とは異なっている。
 安全確保対策の観点からは、水道行政と環境行政を一体として同じ省の所管とする方がよいと思うが、政府の見解を伺いたい。

二、また、水道行政と環境行政が一体となれば、国民に分かりやすくなるのみならず、地方公共団体においても一体として行われることにより、住民に身近な水環境や生活環境の保全対策がより一層推進されると思われる。
 このように、住民の福祉の観点からも、水道行政と環境行政を一体として同じ省の所管とする方がよいと思うが、政府の見解を伺いたい。

三、水道行政においては、衛生工学(衛生の確保を目的とした土木工学)に関する技術的知見を必要とし、主として施設の適切な管理を行うといった政策手法が用いられているが、これらは廃棄物行政についても共通するものである。一方、食品衛生行政は、主として食品の衛生基準を定めることによって行政目的を達成しようとする政策手法が用いられており、水道行政及び廃棄物行政とは大きく異なっている。
 政策手法及び人材の効率的活用の観点からは、水道行政と廃棄物行政を一体として同じ省の所管とする方が適当だと思われるが、政府の見解を伺いたい。

  右質問する。