質問主意書

第145回国会(常会)

質問主意書


質問第一三号

民間機及び民間船舶による武器・弾薬等の輸送に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十一年三月二十四日

照屋 寛徳   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   民間機及び民間船舶による武器・弾薬等の輸送に関する質問主意書

 在沖米海兵隊の県道一〇四号線越え実弾射撃訓練演習の本土移転演習に際し、民間機及び民間船舶で兵員、銃、榴弾砲、弾薬等が輸送されていることが判明した。
 民間機及び民間船舶によるこれら武器・弾薬等の輸送は国内法令や日米地位協定にも違反する違法・不当な行為であって、断じて容認できない。同時に、これら武器・弾薬等の輸送は、現在国会で審議中のガイドライン関連法案の先取りであると強く指弾しなければならない。
 私は、これらの問題について予算委員会や沖特委で政府の見解を質したが、納得しうる答弁は得られなかった。
 よって、次の点について質問する。

一、一九九七年在沖米海兵隊が北富士演習場で実弾砲撃移転訓練を実施した際、全日空機をチャーターして兵器、銃、弾薬を輸送したのは事実か明らかにされたい。もし、事実であるならば、以下の点について政府はどのように把握しているか明らかにされたい。

1、右全日空機をチャーターしたのは、防衛施設庁かそれとも日本通運か、明らかにされたい。
2、右全日空機で輸送した兵員の数、銃器の種類と量、弾薬の量について明らかにされたい。
3、右全日空機による輸送の際、武器・弾薬等の積込み、荷降ろしは誰が、どのような手段で行ったのか明らかにされたい。
4、全日空と防衛施設庁又は日本通運のいずれかがチャーター契約を締結した際、あらかじめ武器・弾薬の輸送であること、輸送する武器・弾薬の数量等については明示のうえ了承を得たのか明らかにされたい。
5、チャーターされた全日空機に搭乗した海兵隊員が全日空機の航行を具体的に管理、指揮していたのかについて、政府はどのように把握しているのか明らかにされたい。
6、右全日空機での武器・弾薬の輸送について、同機に対し日米地位協定第五条を適用した根拠及びそれ以前に民間機による武器・弾薬の輸送で日米地位協定第五条を適用した事例があったのか明らかにされたい。

二、一九九九年在沖米海兵隊が日出生台演習場で実弾砲撃移転訓練を実施した際、民間船舶をチャーターして一五五ミリ榴弾砲等を輸送したのは事実か明らかにされたい。もし、事実であれば、以下の点について政府はどのように把握しているか明らかにされたい。

1、チャーターした船舶名、船舶を所有する会社、榴弾砲等を積み込んだ港、荷降ろしをした港、輸送した榴弾砲の数、車両等輸送物資の詳細を明らかにされたい。
 また、榴弾砲等の積込み、荷降ろしは誰が、どのような手段で行ったのか明らかにされたい。
2、右チャーターした船舶に乗り込んだ海兵隊員は、船舶の運航についていかなる管理、指揮をなしたのか具体的に明らかにされたい。
3、右民間船舶での榴弾砲等の輸送について、同船舶に対し日米地位協定第五条を適用した根拠及びそれ以前に民間船舶による榴弾砲の輸送で日米地位協定第五条を適用した事例があったのか明らかにされたい。

  右質問する。