質問主意書

第144回国会(臨時会)

答弁書


第百四十四回国会答弁書第九号

内閣参質一四四第九号

  平成十一年一月二十六日

内閣総理大臣 小渕 恵三   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員弘友和夫君提出桜島火山対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員弘友和夫君提出桜島火山対策に関する質問に対する答弁書

一について

 関係省庁においては、平成十年八月五日に文部省測地学審議会から行われた「第六次火山噴火予知計画の推進について」とする建議を踏まえ、桜島火山について、平成十一年度以降も観測研究設備の充実、噴火予知に関する総合的な研究の実施、火山活動に関する情報の定量化等に努め、引き続き観測及び研究の推進を図っていくこととしているところである。
 また、気象庁においては、火山情報を含む気象情報を迅速かつ確実に提供するための情報伝達経路の二重化等による情報伝達体制の拡充強化を図ることとしている。

二について

 政府においては、火山に関する情報の収集伝達、研究、研修等に係る体制の充実に取り組んでいるところであり、御指摘の「火山に関する国際的な総合情報・研究・研修機能」については、単一の施設の設置によるのではなく、各種の機能を有する施設の相互連携を図ることにより、全体としてその趣旨の実現を図っているところである。

三について

 鹿児島県垂水市と鹿児島市とを結ぶ国道で桜島地区内唯一のものである一般国道二百二十四号は、防災面も含め、桜島火山の周辺地域における諸活動を支える重要な道路であると認識しており、活動火山対策特別措置法(昭和四十八年法律第六十一号。以下「特別措置法」という。)第三条に規定する避難施設緊急整備計画において避難道として位置付けられている鹿児島県鹿児島郡桜島町赤水と同町桜島港とを結ぶ一般国道二百二十四号バイパスについては、既に整備を完了している。また、一般国道二百二十四号の垂水市海潟から桜島町赤水までの間についても、防災の観点を含め改良を推進しており、いまだ改良を終えていない区間については、鋭意整備を進めていくこととしているところである。

四について

 水産庁においては、桜島の黒神川等から周辺海域に流出する軽石による漁業被害の軽減を図るため、鹿児島県を通じ、関係市町が実施する軽石除去作業に対し助成を行っているところである。
 また、軽石の流出を未然に防止するための発生源対策については、桜島火山の活動が活発であるため軽石を含む火山噴出物の流出を完全に抑止することは困難であるが、治山事業及び砂防事業において、火山噴出物が堆積した荒廃渓流におけるダムの設置、山腹崩壊地の緑化等を通じ、火山噴出物の流出の抑制に努めているところであり、技術的に可能な限りの対応を行っていくこととしている。
 今後とも地元における要望も踏まえ、軽石対策の推進に努めてまいりたい。

五について

 厚生省においては、昭和五十三年度から昭和五十六年度まで及び昭和五十九年度から平成六年度までにわたり、火山灰及び火山ガスが人の健康に与える影響に関する調査及び研究を総合的な観点から実施したが、御指摘のマウスによる実験の結果等も踏まえて総合的な検討を行った結果、火山灰及び火山ガスが人の健康に影響を及ぼしているとの明確な根拠が見い出されなかったことから、平成六年度をもって当該調査及び研究を終了したところである。
 なお、地元地方公共団体の要請があれば、地元地方公共団体に対し、火山灰及び火山ガスが人の健康に与える影響に関する住民の不安を軽減するために必要な助言等の支援を行ってまいりたい。

六について

 桜島火山に係る降灰被害対策については、従来から、鹿児島県知事が作成する防災営農施設整備計画に基づき、活動火山周辺地域防災営農対策事業を実施しているところである。同事業については、平成十一年度予算案では鹿児島県における降灰被害の状況等にかんがみて約十五億五千八百万円を概算決定したところであり、地元における要望を踏まえ、今後ともその推進に努めてまいりたい。
 また、活動火山周辺地域防災営農対策事業における被覆施設の整備に対する補助については、事業の効率性の観点から、対象農地が一定の規模を有する団地であることを採択要件としているものであり、今後とも同事業の適切な運用を図ってまいりたい。

七について

 特別措置法第十一条に規定する降灰除去事業は、市町村が行う降灰の除去事業について、個々の降灰に関して公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和二十六年法律第九十七号)等に基づく災害復旧事業とは認められない事例であっても、年間を通じて多量の降灰があった場合には国庫補助を行おうとする趣旨で設けられたものと理解している。
 御指摘の「短期間に被る一時的な多量降灰」の除去に要する費用に係る国の補助については、個々の災害の状況等から必要と判断される場合に、災害復旧事業として対応しているところである。
 なお、御指摘のように、「同じ降灰量であっても夏季の二カ月であれば採択となり、冬季の十二月から翌年の一月にかかる二カ月であれば不採択となる」可能性は存することから、降灰除去事業に係る制度については御指摘の趣旨も踏まえ今後検討してまいりたい。