質問主意書

第144回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八号

特定非営利活動法人(NPO法人)を新規創業支援等の対象としない問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十年十二月十一日

山本 保   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   特定非営利活動法人(NPO法人)を新規創業支援等の対象としない問題に関する質問主意書

 長期不況に対応するため、政府は雇用活性化総合プランを発表し、特に中小企業の育成及び活性化により雇用状況を好転させることを政策目標としている。
 これらの施策の中心は、創業、分社化、新規分野進出等を行った事業者への助成、信用保証及び労働者の賃金助成等である。
 一方、十二月一日からは、わが国では軽視されてきた非営利部門の活動を支援するための、新しい法人(NPO法人)の認証事務が開始されている。その部門は、広範なボランティア活動を基盤としつつ、福祉、文化、情報、環境等、今後のわが国における産業構造の中核ともなるべき分野への「営利主義でない」活動の進出を可能とするものである。
 ところが、政府はこれらの活動を行う者が、「営利」の事業であれば、右記の種々の創業者支援の対象とするが、地域連帯や自発性を伴う「非営利」活動として登録した場合は、支援しないとしている。
 従来、公益事業を行う法人は、種々の優遇を受け、営利事業とは切り離されていたことを論拠として、新しいNPO活動を「創業」概念から分離するかのような説明を仄聞するが、喫緊の政策課題を無視した柔軟性を欠く法解釈と言わざるを得ない。
 雇用保険の適用等の一定の事業規模を持つNPO法人に対しては、中小企業の創業等の中に含め、必要な支援をすべきだと考える。
 以上の観点に基づき、次の事項について質問する。

一、NPO活動は、今後わが国の新しい経済セクターとして、どのような役割を果たすと考えるか。

二、一定の活動をするNPO法人を、中小企業法体系での事業者と認めないことの理由は何か。

  右質問する。