質問主意書

第144回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六号

中小規模の同族会社の留保金に対する特別課税制度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十年十二月十日

齋藤 勁   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   中小規模の同族会社の留保金に対する特別課税制度に関する質問主意書

 中小規模の同族会社の留保金に対する特別課税制度は、同族会社の株主と非同族会社の株主及び個人企業との間の所得税課税上の負担の公平を確保するために昭和二十九年に制定されたものであるとされている。
 しかし、資金力や社会的信用力が劣る経営基盤の弱い中小規模の同族会社にとって、財務体質の強化のために利益の配当を抑え社内留保することは、健全な経営を確保するために必要なことであり、債権者を保護し資本充実の要請に応えるものでもある。しかるに、この特別課税制度は、経営基盤の弱い中小規模の同族会社に追加的な負担を強いるものである。
 さらに、繰越欠損金の控除により課税所得金額が零円になった場合でも、課税留保金の計算では繰越欠損金控除の適用がないため、繰越欠損金の補てんのための留保金に課税される場合がある等問題を有している。
 今日、企業体質の強化が特に要請されていること及び現在の景気状況が特に中小規模の同族会社に厳しい経営環境となっていることに鑑みれば、この制度を廃止することが景気回復の観点からも望ましいと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。