質問主意書

第142回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三号

内閣参質一四二第一三号

  平成十年六月九日

内閣総理大臣 橋本 龍太郎   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員木庭健太郎君提出自動二輪車の免許制度及び交通にかかる規制緩和に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員木庭健太郎君提出自動二輪車の免許制度及び交通にかかる規制緩和に関する質問に対する答弁書

一について

 総排気量〇・四〇〇リットルを超える内燃機関を原動機とする自動二輪車については、その原動機の総排気量が〇・七五〇リットル程度のものを中心として一・五〇リットル程度のものを含むものであり、総排気量〇・四〇〇リットル以下の内燃機関を原動機とする自動二輪車と、車両重量、原動機の出力等の車両特性が大きく異なるため、これを制御し安全に運転するためにより高度な技能等が必要であり、それぞれについて受験資格、試験課題等を定める必要があることから、自動二輪車に係る運転免許は、原動機の総排気量〇・四〇〇リットルを境として大型自動二輪車免許及び普通自動二輪車免許に区分されているところである。
 また、我が国における第一当事者の車種別にみた単位台数当たりの交通死亡事故件数は、平成九年において、大型自動二輪車に係るものが普通自動二輪車に係るものの約一・四倍となっており、大きな差がある。

二について

 高速自動車国道等における自動二輪車の二人乗りについては、アメリカ合衆国等においては認められているものと承知しているが、我が国においては、高速走行中にバランスを崩した場合の危険性が極めて高いこと、アメリカ合衆国等に比べ、高速自動車国道等の曲線半径や視距が短く、車線や路肩の幅員も狭いこと等から禁止されているところである。

三及び四について

 アメリカ合衆国等においては、高速道路における大型自動車及び普通自動車と自動二輪車の最高速度が同一のものとされているものと承知しているが、我が国においては、自動二輪車の高速自動車国道における死亡事故率(人の死傷に係る全交通事故件数に占める交通死亡事故件数の割合)が、他の種類の自動車の平均に比べ、平成七年から平成九年までの間において約一・八倍と高く、特に、走行速度が八十キロメートル毎時を超える場合には自動二輪車の死亡事故率がそれ以下の走行速度の場合に比べ、同時期で三・〇倍と極めて高くなっていること等から、高速自動車国道における自動二輪車の最高速度を八十キロメートル毎時としているものである。この交通規制により、交通の安全が図られ、高速自動車国道利用者の生命の危険は低下するものと考えられるが、結果として、高速自動車国道における大型乗用自動車及び普通自動車と自動二輪車との最高速度が異なるものとなっているところである。

五について

 我が国の自動二輪車の免許制度並びに高速自動車国道等における自動二輪車の二人乗りの禁止及び最高速度規制については、右に述べた理由により御指摘は当たらないものと考えている。