質問主意書

第142回国会(常会)

質問主意書


質問第六号

市街地上空の自衛隊機飛行訓練等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十年四月七日

栗原 君子   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   市街地上空の自衛隊機飛行訓練等に関する質問主意書

 昭和六二年一一月頃より、東京都小平市、国分寺市両市の住宅地域において、陸上自衛隊立川基地、航空自衛隊入間基地の所属機及び海上自衛隊厚木基地、その他の関係基地の所属機による低空飛来及び飛行訓練が突然開始された。そして現在に至るまで、日に延べ数では数十機、時には百機を超す自衛隊機が飛来し、訓練が常時行われるようになった。また一時間当たり十数機から時には数十機に及ぶ集中的な飛来が度々行われており、当該地域の住民の生活環境は著しく悪化している。飛来機の飛行高度は、立川基地及び入間基地によると海抜三六〇メートルから七五〇メートルと低高度であり、飛行騒音値は基地周辺なみの七〇から八〇ホン以上に達することが小平市当局等の調査で判明している。また、飛来数の多さからの墜落事故も予測され、地域住民への危険性のみならず、当該地域に設定された飛行コース及び訓練空域が局所的に複数交錯し、重なり合うなか、度々ニアミスが目撃されており、空中衝突事故の危険が懸念される。ちなみに、昨年八月二二日茨城県龍ケ崎市において、編隊飛行中の陸上自衛隊のヘリコプターOH-6と民間機が空中衝突し、住宅地間近の山林に墜落炎上するという惨事が起きている。また、昨年一月一三日栃木県宇都宮市では、陸上自衛隊の偵察用ヘリコプターOH-6が墜落、同月二五日愛媛県朝倉村では、陸上自衛隊の多用途ヘリコプターHU-1が不時着、その他各地で、航空自衛隊所属のジェット練習機T-4、固定翼機MU-2、陸上自衛隊所属の双発輸送ヘリコプターV-107、海上自衛隊所属の対潜哨戒機P-3C等の墜落事故が相次いで起こっている。
 そこで、首都有数の住宅地域であり、騒音規制等の最も厳しい第一種住専地域を多数含み、かつ、基地周辺外の地域である両市上空において、なぜ多数の自衛隊機が頻繁に低空飛来し、飛行訓練を行うのか、以下質問する。

一 昭和六二年一一月頃より、東京都小平市、国分寺市両市の住宅地域において、陸上自衛隊立川基地所属のヘリコプターHU-1、OH-6、固定翼機LR-1、及び他の陸上自衛隊関係基地所属の双発輸送ヘリコプターCH-47、対戦車ヘリコプターAH-1Sなどが頻繁に低空飛来しているが、立川基地広報ではパイロットの養成訓練、体験飛行研修、編隊飛行訓練、夜間飛行訓練など各種の飛行訓練及び体験搭乗飛行などを行っているためであると回答している。飛来数に関しては、小平市当局及び地域住民側の調査により、航空祭等の特異日ではない平日において、数分間隔で一時間に十数機から二十機程に及ぶ集中的な飛来や、日に延べ数で数十機から八十数機に達する同基地所属機及び関係基地所属機の多数飛来が、これまでに度々確認されている。中でも特に飛来の多いコースは、小平市内のブリヂストン工場(BSポイント)と多摩川の関戸橋(多摩ポイント)間を南北方向に飛行し同基地へと周回あるいは進入離脱するコース(以下Aコースという)と、Aコースより東方寄りの西武多摩湖線沿いに同市内の日立武蔵工場上空を南北方向に飛行し同基地へと周回あるいは進入離脱するコース(以下Bコースという)である。そこで、立川基地並びに関係基地所属機によるこれらのコースにおける訓練飛行及び集中的な低空飛来の現状に関し以下質問する。

1 (1)当該地域においては、立川基地の他に入間基地、厚木基地関係及び米軍等の各飛行コース及び空域が局所的に錯綜し、基地周辺外の住宅地域としては極めて飛来数も多い。自衛隊の飛行訓練空域としては、運輸省との協定により、関東地域ではH空域、第三空域、第四空域などが設定されており、安全上及び騒音等環境上の観点からも、そうした訓練空域の利用が相当と思われるが、敢えて人口が集中しコースの錯綜する当該地域において、日常的に各種の飛行訓練が行われることとなったのは、どのような理由によるものなのか明らかにされたい。
  (2)平成五年三月、地域住民の陳情を受け、小平市当局が市内における同基地による飛行訓練の事前公表を要望したが、これを拒否したのはどのような理由によるものなのか明らかにされたい。
  (3)今後とも、訓練内容の事前公表を行わない方針であるのかどうか明らかにされたい。

2 (1)平成五年三月、立川基地は、飛行形態に変化はなく当該地域での飛来急増の原因は不明であると小平市当局に回答しているが、確認のため、同基地における年間の総飛行訓練時間、所属パイロット数、航空燃料の年間消費量、編隊飛行訓練の年間実施回数、夜間飛行訓練の年間実施回数、関係基地所属の対戦車ヘリコプターの年間立ち寄り回数、及びその他のヘリコプターの年間立ち寄り回数、また体験搭乗飛行の年間離発着回数及び搭乗者総数について、飛行部隊の運用が開始された昭和五七年から平成九年まで各年度ごとに明らかにされたい。
  (2)同基地によると、体験搭乗者とは自衛隊関係者及び協力者であるとしているが、より具体的にはどのような身分の者であるのか明らかにされたい。
  (3)夜間飛行訓練時の訓練空域と飛行コースを明示されたい。
  (4)当該両コースを度々飛行する対戦車ヘリコプターAH-1S、双発輸送ヘリコプターCH-47及びV-107の所属基地名を明らかにされたい。

3 立川基地広報では、関係基地所属機の立ち寄り及び関係基地所属機との体験飛行研修等が行われているとしているが、関係基地所属機との体験飛行研修等の合同飛行訓練の年間実施回数、同基地管制圏及び当該地域で関係基地所属機の各種飛行訓練が単独で行われているとするならばそれらの所属基地名及び年間実施回数、またそのうち、対戦車ヘリコプターの飛行訓練が行われているとするならば別にその年間実施回数を、飛行部隊の運用が開始された昭和五七年から平成九年まで各年度ごとに明らかにされたい。
4 (1)昭和五七年二月、立川市に対し防衛施設庁が提出した同基地の飛行コース図によれば、飛行訓練コースとしては、同基地と立川砂川浄水場、立川清掃工場、多摩川橋、立川橋などの上空を周回する場周飛行コースのみが設定されており、当該地域のAコース及びBコースは、飛行訓練コースとしても、また進入離脱コースとしても何ら設定されてはいない。ちなみに、防衛庁航空路図誌(平成七年版)においても、立川市に提示された周回コースと南北に各一ケ所の進入離脱コースの設定記載はあるが、当該両コースの記載はない。しかし、同基地広報では、現在既に両コースを飛行訓練コース及び進入離脱コースとして設定しているとしている。当該地域に両コースを新設した理由はどのようなものであるのか。
  (2)両コースを設定した年月日を明らかにされたい。
  (3)両コースの設定に関し、コース下に当たる自治体及び地域住民に対し、事前通告、事前公表等一切行われていないが、それはどのような理由によるものなのか。
  (4)今後とも、同基地あるいは陸上自衛隊各基地においては、飛行コースの新設及び変更に関し、事前公表等を行わない方針であるのかどうか明らかにされたい。

5 立川基地広報によると、当該地域における同基地及び他の陸上自衛隊基地所属機の飛行高度は海抜三六〇メートルから四五〇メートルの範囲であり、入間基地等との協定もしくは内規等により四五〇メートル以上の高度では飛行できないとしているが、そうした協定もしくは内規はどのような根拠に基づいて策定されたものであるのか。また、そうした取り決めが確定した年月日を明らかにされたい。

二 昭和六二年一一月頃より、東京都小平市、国分寺市両市の住宅地域において、航空自衛隊入間基地所属の輸送機C-1、YS-11、ジェット練習機T-33、T-4、U-125、固定翼機MU-2、B-65、双発輸送ヘリコプターCH-47及び関係基地所属の輸送機C-130等が多数低空飛行を行っているが、入間基地広報では同基地による慣熟飛行訓練、タッチアンドゴー訓練、GCA誘導訓練、夜間飛行訓練等の各種の飛行訓練並びに関係基地所属機を含む進入飛行を行っているためであると回答している。飛来数に関しては、小平市当局及び地域住民側の調査により、航空祭等の特異日ではない平日において、数分間隔で一時間に十数機に及ぶ集中的な飛来や、日に延べ数で数十機から五十機程に達する同基地所属機及び関係基地所属機の多数飛来がこれまでに度々確認されている。また、同基地の飛行訓練コースは、同基地方面より南進し、小平市、国分寺市両市上空でUターンする周回コース(以下南場周コースという)であり、南方向から両市上空を通り同基地へと至る進入コース(以下南進入コースという)と重複するものであるが、同基地によると、既にこの周回コースは、場周飛行コース及び進入コースとして設定されているとしている。そこで、入間基地及び関係基地所属機による当該地域での集中的な低空飛来並びに各種の訓練飛行の現状に関し以下質問する。

1 (1)当該地域においては、入間基地の他に立川基地、厚木基地関係及び米軍等の各飛行コース及び空域が局所的に錯綜し、基地周辺外の住宅地域としては極めて飛来数も多い。自衛隊の飛行訓練空域としては、運輸省との協定により、関東地域ではH空域、第三空域、第四空域などが設定されており、安全上及び騒音等環境上の観点からも、そうした訓練空域の利用が相当と思われるが、敢えて人口が集中しコースの錯綜する当該地域において、日常的に各種の飛行訓練が行われることとなったのは、どのような理由によるものなのか明らかにされたい。
  (2)平成五年三月、地域住民の陳情を受け、小平市当局が市内における同基地による飛行訓練の事前公表を要望したが、これを拒否したのはどのような理由によるものなのか明らかにされたい。
  (3)今後とも、訓練内容の事前公表を行わない方針であるのかどうか明らかにされたい。

2 (1)平成五年三月、入間基地は、飛行形態に変化はなく当該地域での飛来急増の原因は不明であると小平市当局に回答しているが、確認のため、同基地における年間の離発着回数、機種別の所属機数、所属パイロット数、航空燃料の年間消費量、南場周飛行コースにおけるタッチアンドゴー訓練の年間実施回数、同コースにおけるGCA誘導訓練の年間実施回数について、南進入コースが設定された昭和五六年から平成九年まで各年度ごとに明らかにされたい。
  (2)南進入コース及び南場周コースにおいて、タッチアンドゴー訓練を行っている所属機の機種と、GCA誘導訓練を行っている所属機の機種をそれぞれ明らかにされたい。

3 (1)当該地域において、同基地ないしは関係基地所属のジェット練習機T-33、T-4等の飛行騒音値は八〇ホンを超えるが、当該地域のBSポイント付近におけるそれらのジェット練習機の、有視界飛行の場合とGCA誘導の計器飛行の場合のそれぞれの飛行高度(海抜高度)を明らかにされたい。
  (2)同様に、輸送機C-1とC-130についても明らかにされたい。

4 (1)昭和五三年に入間市当局に提示された同基地の飛行コース図には、十数本の進入離脱コースが設定されているが、当該地域に掛かる飛行コースは何ら設定されていない。しかし、平成八年五月に提出した質問主意書により、南進入コースが昭和五六年五月、当該地域に新たに設定されたものであることが明らかになった。南進入コース及び南場周コースを新設した理由はどのようなものであるのか明らかにされたい。
  (2)両コースの設定と運用の実施に際し、コース下に当たる自治体及び地域住民に対し、事前通告、事前公表等一切行われていないが、それはどのような理由によるものなのか。
  (3)今後とも、同基地あるいは航空自衛隊各基地においては、飛行コースの新設及び変更に関し、事前公表等を行わない方針であるのかどうか明らかにされたい。

5 (1)南場周コースのうち、東京都に掛かる部分について、地理上の具体的な位置を市町名等を挙げて明示されたい。また、その設定飛行高度(海抜高度)を明らかにされたい。
  (2)南場周コースの設定の許可を運輸省から得た年月日を明らかにされたい。

6 前記のように、平成八年五月に提出した質問主意書により、入間基地の南進入コースの設定が昭和五六年五月に行われたことが明らかになったが、それまで同基地広報では、南進入コースの新設即ち飛行コースの変更はなかったとしてきた。なぜ事実と異なる虚偽の回答を地域住民側に対し繰り返し行ってきたのか、その経緯を明らかにされたい。

三 昭和六二年一二月頃より、東京都小平市、国分寺市両市の住宅地域において、海上自衛隊厚木基地所属あるいは他の海上自衛隊基地所属の対潜哨戒機P-3C等が頻繁に低空飛来している(飛来方向から、それらの航空機は厚木基地所属機が大半と思われる)が、入間基地所属機並びに立川基地所属機等の頻繁な飛来と相まって、当該地域での集中的な多数飛来に一層拍車をかける結果となっている。そこで、以下質問する。

1 昭和六二年以降の当該地域におけるP-3Cの頻繁な飛来は、どのような理由によるものなのか明らかにされたい。
2 海上自衛隊厚木基地における所属機の年間離発着回数とP-3Cの保有機数を、昭和五六年から平成九年まで各年度ごとに明らかにされたい。
3 (1)当該地域において、厚木基地あるいは海上自衛隊の固有の飛行コースが設定されているのかどうか明らかにされたい。
  (2)また、設定されている場合は設定の理由、そのコースの地理上の具体的な位置、飛行高度(海抜高度)及び設定年月日を、設定されていない場合は当該地域における通常の飛行ルートの地理上の具体的な位置及び飛行高度(海抜高度)を明らかにされたい。

四 平成五年二月、当該地域住民数百名の署名の下、各基地が現状改善を行うことを要望する旨の陳情書が当該市当局に対し提出されているが、今なお、当該地域において日常的に訓練飛行及び進入飛行等を行う立川、入間及び厚木等自衛隊各基地において、飛行騒音及び安全上の面で現状改善を講じる意思が在るとするならば、今後どのような対策が可能か明示されたい。

  右質問する。