第141回国会(臨時会)
答弁書第一一号
内閣参質一四一第一一号 平成十年一月九日 内閣総理大臣 斎藤 十朗
参議院議員山下栄一君提出郵便貯金の周知宣伝施設に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員山下栄一君提出郵便貯金の周知宣伝施設に関する再質問に対する答弁書 一について 「修繕に伴う工事休館」以外の利用者の減少の理由としては、バブル崩壊以降の宿泊・食堂・会議利用における需要の落ち込みの影響、施設が老朽化したり時代遅れになったことに伴う影響が挙げられると聞いている。 二について 郵便貯金振興会(以下「振興会」という。)の会計は、郵便貯金振興会に関する省令(昭和五十二年郵政省令第十号)第十条に基づき、郵便貯金の周知宣伝施設の運営業務全体で経理しているところであり、郵便貯金会館(以下「郵貯会館」という。)ごとに収支状況を把握するものとされておらず、個別の郵貯会館において赤字が生じたからといって直ちに経営責任者及び管理者の責任が問われることにはならない。
三について 郵政大臣としては、例えば、振興会の平成八年度予算の認可に際し、さらに一層の効率化施策を行い、事業の健全経営の維持に努めるようにとの附帯事項を付するなど、日頃から郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号。以下「法」という。)第九十四条に基づき、健全経営に努めるよう振興会を指導している。 四について お尋ねの趣旨及び提言に至る経緯については、まず、「行政改革に関する第三次答申-基本答申-」(昭和五十七年七月三十日臨時行政調査会)において、「会館、宿泊施設等については、民間の施設を含め全国的に同種の施設の整備が進んでおり、また公的施設相互及び民間との競合が発生しつつあることから、原則として新設を行わない。」との提言がなされ、これを踏まえた「行政改革に関する第五次答申-最終答申-」(昭和五十八年三月十四日臨時行政調査会)(以下「臨調最終答申」という。)において、「行政の減量化と官民の事業分野の調整という観点から徹底した見直しを行い、経営形態の変更、事業の廃止・縮小・限定等を推進する。」との趣旨から、「民間と競合する会館、宿泊施設等の施設の新設を原則的に中止する」とされ、法人ごとの具体的措置として、振興会については、「原則として会館の新設を行わないこととする」との提言がなされたものと承知している。 五について 「日光霧降郵便貯金総合保養施設」は、総合保養地域整備法(昭和六十二年法律第七十一号)に基づき承認された日光・那須リゾートライン構想の日光霧降高原重点整備地区に設置された、プール、体育館、テニスコート、遊歩道、温浴施設等のスポーツ施設・健康増進施設を中心とした施設であり、この施設内に設置する宿泊施設については、「余暇等を利用して滞在しつつ」(総合保養地域整備法第一条)、スポーツ、レクリエーション等の活動を行うためのものである。他方、郵貯会館は、都道府県庁所在地の十五の都市に、都市生活の利便を図るために設置された、会議集会施設・宿泊施設を中心とした施設であり、郵便貯金総合保養施設(以下「郵貯総合保養施設」という。)とは、機能上異なる施設である。なお、現在、十五か所の郵貯会館のうちスポーツ施設を設置しているのは、二か所の郵貯会館にプールがあるのみである。 六及び七について 郵便貯金は、簡易で確実な貯蓄手段を、あまねく公平に提供する役割を担っており、郵貯会館等は、郵便貯金に関して広く国民に理解をしていただくために、法第四条に基づき設置しているものである。
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