質問主意書

第141回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五号

兼六園の管理に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成九年十月三十日

竹村 泰子   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿


   兼六園の管理に関する質問主意書

 国の特別名勝に指定されている兼六園は、非常に大きな文化的価値を有しているにも関わらず荒廃が進んでいる。これは、兼六園の管理に問題があると考えざるを得ない。そこで、以下のとおり質問する。

一、兼六園の貸与について

1 兼六園は国有財産法第二十二条に基づいて、国が石川県に対して無償貸与しているものであるが、国と石川県との貸借契約につき、その内容を示されたい。
2 国有財産法第二十二条第二項によれば、無償貸与は「公共団体における当該施設の経営が営利を目的とし、又は利益をあげる場合には、これを行うことができない。」とされている。入園料等を徴収し、その入園料等を国有財産の維持・管理以外の用途等に使用することは、「営利を目的とし、又は利益をあげる場合」に相当するか。しないとすれば、それはなぜか。
3 兼六園の最近十年間の入園料収入とその使途及び額を示されたい。併せて、兼六園の維持・管理以外に使われた内容と額についても示されたい。
4 兼六園の入園料収入は、石川県によれば、パークアンドバスライド事業や県債の償還にも使われているとされているが、確認しているか。確認していないとすればそれはなぜか。また、入園料収入をこのような目的に使用することは、国有財産法第二十二条第二項の趣旨に照らし問題があると考えるが、政府の見解を示されたい。
5 兼六園の入園料収入がこのような用途に使われてしまうのは、これが一般会計で処理され、他の予算と混同されてしまうからであると考えられる。石川県に対して、兼六園の会計を特別会計とするなどの改善を指導するべきであると考えるがいかがか。

二、兼六園の管理について

1 兼六園の唐崎松の枝が枯れはじめているにも関わらず、調査費さえも計上していないという状態は、十分な管理がされている状態とは考えられないがどうか。
2 兼六園の曲水は、辰巳用水の水を利用しているが、辰巳用水の水質悪化により、曲水の水質が大幅に悪化している。曲水の水質改善が、兼六園の景観維持にとって不可欠であると考えるがどうか。

  右質問する。