質問主意書

第136回国会(常会)

答弁書


答弁書第三号

内閣参質一三六第三号

  平成八年四月二十六日

内閣総理大臣 橋本 龍太郎   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員山口哲夫君提出日米安保の再定義と沖縄米軍基地に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員山口哲夫君提出日米安保の再定義と沖縄米軍基地に関する質問に対する答弁書

一について

 我が国に駐留する米軍は、我が国を含む極東における国際の平和と安全の維持に寄与するとの任務を現に果たしているところであるが、米軍の運用上の都合による在日米軍の部隊の極東以外の地域への移動について、日米安保条約上何ら制約がないことは、政府が従来から国会等で明らかにしているとおりである。

二について

 普天間飛行場については、本年四月十二日に橋本総理がモンデール駐日米国大使と会談を行い、所要の措置が採られた後に全面返還することにつき既に合意が得られており、このことは四月十五日に日米安全保障協議委員会が発表した特別行動委員会の中間報告(以下「中間報告」という。)において確認されている。中間報告で確認された内容は、「今後五~七年以内に、十分な代替施設が完成した後、普天間飛行場を返還する。施設の移設を通じて、同飛行場の極めて重要な軍事上の機能及び能力は維持される。このためには、沖縄県における他の米軍の施設及び区域におけるヘリポートの建設、嘉手納飛行場における追加的な施設の整備、KC-130航空機の岩国飛行場への移駐及び危機に際しての施設の緊急使用についての日米共同の研究が必要となる。」というものである。

三について

 米軍の各飛行場において採られている航空機騒音規制措置は、駐留している米軍の運用規則や飛行場の特性を考慮し、それぞれの運用状況を踏まえたものとなっており、必ずしも一律なものではないが、共通する事項もあることから、できる限り横田及び厚木飛行場に係る合同委員会合意を参考に、更に沖縄県に特有の要素を加味して米側と協議を重ねた結果、項目やその表現において、これらの合意とほぼ同様の内容の合同委員会合意が得られたものである。
 また、右合同委員会合意において、米側との間で航空機騒音に関する状況を改善すべく今後とも最大限の努力を行っていくことを確認したところであり、政府としては、引き続き真剣に対応してまいる所存である。

四について

 沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律(平成七年法律第百二号)第八条に基づく給付金については、平成八年度に初めて支給されるものであることから、まず、同条の規定に基づき適正に執行していくことが大切であると考えている。

五について

 金武町で実施されている実弾射撃訓練に伴う不発弾の処理については、昨年十一月、沖縄県による地位協定見直し要請の一項目となっていることは承知している。
 本件不発弾処理に関しては、特別行動委員会の場等を通じ協議をしてきたものであるが、中間報告において述べているとおり、今後、不発弾処理の具体的なガイドライン及び公表の方法について、検討作業に着手することとしている。
 また、県道104号線越え実弾射撃訓練に関しては、中間報告において、これを取りやめ、本土の複数の演習場に移転することについて改めて確認したところである。なお、本件に関しては、現在、合同委員会の下に設置された特別作業班で鋭意検討を行っているところである。