第136回国会(常会)
答弁書第二号
内閣参質一三六第二号 平成八年二月二十三日 内閣総理大臣 橋本 龍太郎
参議院議員猪熊重二君提出住宅金融公庫貸付条件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員猪熊重二君提出住宅金融公庫貸付条件に関する質問に対する答弁書 一の2のイ及びロについて 住宅金融公庫(以下「公庫」という。)は、国の有償の資金を原資としており、元利金の回収に万全を期する必要がある。この旨は、住宅金融公庫法(昭和二十五年法律第百五十六号)第二十四条の規定に基づく住宅金融公庫業務方法書第二条において規定されているところである。
一の2のハについて 賃貸借契約解除の事前通知による元利金の回収率への影響については、具体的な数値は把握していないが、昭和六十二年度以降、地主から賃貸借契約解除の事前通知を受けて公庫が借地人に代わって地代を支払い、未然に賃貸借契約が解除されることを防止した事例があり、回収率の向上に一定の効果があったものと承知している。 二の2のイについて 公庫が設立された昭和二十五年以来、借地上に建設される住宅に対して公庫が融資を行う場合は、融資を受けようとする者に対して、地主の承諾書を公庫に提出することを求めてきており、当該承諾書が提出できないために公庫に融資を申し込まなかった者の数は把握されていないと承知している。 二の2のロについて 地主の承諾書が提出できないために公庫に融資を申し込まなかった者の数を公庫が把握することは、実務上困難であると考えている。 二の2のハ及びニについて 第三者の抵当権等が先行して設定されている借地上に住宅を建設した場合、当該抵当権等が実行されたときは、住宅の建設者は、新たな土地所有者に対して借地権を主張できないこととなる。したがって、このように不安定な権利関係にある住宅に対し、国の有償の資金を原資として公庫が融資を行うことは、確実な元利金の回収を図る観点から適切でないと考えている。
三の2について 住宅金融公庫法第二十四条の規定に基づく住宅金融公庫業務方法書第二条において、資金の貸付けについては元利金の確実な回収に関し万全を期することとされており、このような観点から、借地上に建設される住宅に対する資金の貸付けについては、第三者の抵当権等が先行して借地に設定されている場合の当該抵当権等の抹消等及び賃貸借契約解除に係る事前通知の要請を内容に含む地主の承諾書の提出を求めているものと承知している。 |