質問主意書

第134回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三号

内閣参質一三四第三号

  平成七年十二月二十六日

内閣総理大臣 村山 富市   


       参議院議長 斎藤 十朗 殿

参議院議員栗原君子君提出高圧送電線鉄塔問題等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員栗原君子君提出高圧送電線鉄塔問題等に関する質問に対する答弁書

一について

 農林水産省は、島根県美濃郡美都町大字久原七六一番二ほか十三筆の農地五千六百六十一平方メートルについて、平成六年十二月七日付けで島根県知事が中国電力株式会社ほか四名に対して変電所の新設を目的とする農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第五条第一項の許可を行ったことを承知している。なお、同町大字久原二五一四番の土地については、島根県知事が当該許可に当たって農地でないことを確認しており、当該土地については、同項の許可を受ける必要がないものである。

二について

 農林水産省は、島根県美濃郡美都町が、平成六年五月十一日付けの同町の農業振興地域整備計画の変更において、同町大字久原二五一四番ほか九十一筆の土地を農用地区域から除外したことを承知している。
 農業振興地域整備計画の変更は、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第十三条において定められた場合に行うものとされており、同法においては御指摘の特別管理地域の指定を変更の要件とするものではない。

三について

 通商産業省は、現在、広島県及び島根県において、設計電圧を五十万ボルトとし使用電圧を十一万ボルトとする送電線路(西島根幹一・二号線及び西島根連絡一・二号線)が建設されていることは承知している。
 これらの送電線路については、使用電圧が十一万ボルトであることから、電気事業法の一部を改正する法律(平成七年法律第七十五号。以下「改正法」という。)による改正前の電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号。以下「旧法」という。)第八条第二項の規定による届出の受理及び旧法第四十一条第一項の工事計画の認可が、電気事業法施行令(昭和四十年政令第二百六号)第六条の規定に基づき通商産業省中国通商産業局長によりなされている。
 なお、御指摘の西島根幹線は、中国電力株式会社が西島根幹一・二号線及び西島根連絡一・二号線を昇圧することにより、新西広島変電所と西島根変電所を結ぶ五十万ボルトの送電線路として使用することを計画しているものであり、当該送電線路を五十万ボルトで使用する際には、改めて改正法による改正後の電気事業法(以下「現行法」という。)第九条第一項の規定による届出及び現行法第四十七条第一項の工事計画の認可を受けることが必要となる。

四について

 西島根幹一・二号線及び西島根連絡一・二号線については、それぞれ旧法第八条第二項の規定による届出がなされており、電気事業法上適正な手続がなされていることを承知している。
 なお、当該電気工作物に係る電気事業法以外の関係法令の手続については、御指摘のものを含めそれぞれの法令の規定に基づき必要な申請及び処分がなされていることを承知している。

五について

 いわゆる中国第二幹線は、中国第二西幹線、中国第二中幹線及び中国第二東幹線の三路線により構成されるが、このうち、旧法第四十一条第一項の工事計画の認可がなされているものは、中国第二西幹線(新山口変電所と西島根変電所を結ぶもの)のみである。
 旧法第四十一条第一項の工事計画の認可については、通商産業大臣は同条第三項各号に適合していると認めるときは認可をしなければならないこととされており、中国第二西幹線については、同項各号に適合していると認められることから平成七年六月十三日に認可を行ったものである。
 なお、中国第二幹線の途中にある西島根変電所建設予定地内の農地については、当該認可の申請前に農地法第五条第一項の許可がなされているものである。

六について

 中国電力株式会社は、西島根変電所に関して、電気事業法については旧法第八条第一項の許可を受けており、農地法についても同法第五条第一項の許可を受けている。
 また、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)については、同社は同法第十条第一項の伐採の届出書を島根県知事に提出している。なお、同法第十条の二第一項の許可については、同項第三号に該当するため不要である。
 同変電所について、これらの法律に違反する事実は承知していない。

七について

 御指摘の中国第二西幹線の鉄塔については、周辺の地形を考慮し、その上空を航行する航空機の安全を害するおそれはないと判断されるため、運輸省大阪航空局長が航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第五十一条の二第一項及び航空法施行規則(昭和二十七年運輸省令第五十六号)第百三十二条の二第一項に基づき昼間障害標識としての塗色をする必要がないと認めたものである。なお、当該規定の適用については、景観保全をしんしゃくするものではない。

八について

 旧法第百十条第一項の規定に基づく意見の聴取については、意見を述べた者に対し、その内容を文書により確認することは法令上規定されていない。

九について

 御指摘の事業に係る補助金の支出については、島根県知事が平成五年八月十一日に平成五年度先進的農業生産総合推進対策等補助金の交付の決定の変更を申請し、農林水産省中国四国農政局長が、当該申請に基づき同年十一月二十五日に当該補助金の交付の決定の変更を行った。また、島根県知事が平成六年三月四日に概算払を請求したことを受け、農林水産省中国四国農政局長が、同年三月十八日に概算払を行ったところである。