質問主意書

第132回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三号

内閣参質一三二第一三号

  平成七年四月十一日

内閣総理大臣 村山 富市   


       参議院議長 原 文兵衛 殿

参議院議員翫正敏君提出防衛庁・自衛隊における法律秘に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員翫正敏君提出防衛庁・自衛隊における法律秘に関する質問に対する答弁書

一の1及び2並びに二について

 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第五十九条第一項に規定する「秘密」は、秘密保全に関する訓令(昭和三十三年防衛庁訓令第百二号。以下「訓令」という。)の規定による秘密の指定の有無にかかわらず、一般に知られていない事実であって、他に知られないことについて相当の利益を有するもの、すなわち、非公知性と秘匿の必要性の二つの要素を具備している事実をいう。
 したがって、当該事実を職務上知ることのできた自衛隊員は、同項に基づき守秘義務を負う。
 防衛庁では、従来から、自衛隊員による守秘義務違反の生じないよう、指導等に努めているところであろ。

一の3について

 取扱上の注意を要する文書等の取扱いについて(昭和五十六年三月二日防衛事務次官通達)に基づく「部内限り」又は「注意」の表示のある文書等で、訓令の規定により秘密に指定されていない自衛隊法第五十九条第一項に規定する「秘密」に該当しないものは、存在する。

一の4について

 訓令の規定により秘密に指定されていない文書等で自衛隊法第五十九条第一項に規定する「秘密」に該当するものが、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百条第一項又は地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三十四条第一項の「秘密」に該当する場合は、これを職務上知ることのできた一般職に属する国家公務員又は地方公務員は、それぞれこれらの国家公務員法又は地方公務員法の規定に基づき守秘義務を負う。

三の1について

 昭和五十八年九月一日にソ連機が大韓航空機を撃墜した前後の様子を示す交信記録の公表は、内閣総理大臣の決裁を経て行われたものである。

三の2について

 外国の航空機が我が国領空を侵犯した場合の当該事案の公表については、防衛庁が、関係省庁と協議しその適否を総合的に判断した上で、これを行っているところである。

三の3について

 多用途支援機の機種選定に係る有識者会合の委員に委嘱した三名の有識者に対しては、防衛局長又は航空幕僚長の許可に基づき、訓令の規定により秘密に指定されていない文書で自衛隊法第五十九条第一項に規定する「秘密」に該当するものの貸出し等を行ったところである。

三の4について

 当該「警備日誌」の記載内容のうち、非公知性と秘匿の必要性の二つの要素を具備している事実は、自衛隊法第五十九条第一項に規定する「秘密」に該当する。