質問主意書

第132回国会(常会)

質問主意書


質問第一号

自衛隊の米軍に対する液体燃料の貸付けに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成七年一月二十七日

翫 正敏   


       参議院議長 原 文兵衛 殿


   自衛隊の米軍に対する液体燃料の貸付けに関する質問主意書

 我が国では、一九八三年以来日米共同訓練において、海上自衛隊が米海軍へ液体燃料の貸付けを行っている。昨年にはさらに航空自衛隊においても行う旨の事務次官通達が出され、自衛隊の米軍に対する燃料の貸付けが拡大する傾向を示している。
 国会の預かり知らぬところで、自衛隊と米軍とのこうした関係が進展することは国民の不安をかきたてるものであり、政府の見解をただすために以下質問する。

一 自衛隊から米軍へのこれらの液体燃料の貸付けは、物品管理法(昭和三十一年法律第百十三号)、防衛庁の管理に属する物品の無償貸付及び譲与等に関する総理府令(昭和三十三年一月十日総理府令第一号)、その他いかなる法令に基づいて認められているのか明らかにされたい。

二 米軍に対する液体燃料の貸付けの要件及び手続を海上自衛隊、航空自衛隊のそれぞれにつき明らかにされたい。

三 米国国防省が米国議会に提出した報告書である「同盟諸国の防衛責任分担に関する報告書(REPORTON ALLIED CONTRIBUTIONS TO THE COMMONDEFENSE(May 1994))」には「In 1992, Japan entered into an expanded refueling at sea (RAS) MOU.」という記述がある。MOUはいうまでもなくmemorandum of understanding(了解覚書)の略称であり、この記述は、一九九二年当時日米間で燃料補給に関する何らかの了解覚書が取り交わされた事実を米当局が明らかにしたものである。一方で、我が国政府はこの事実について国民に何一つ知らせておらず、日米当局者間によるこうした密約の締結はシビリアン・コントロールからはなはだしく逸脱したものと言える。日米安保の存在を容認するにせよ、護憲を標榜する村山政権においては、せめてこうした密約の存在を国民に明らかにし、批判を仰ぐべきと考える。そこで、

1 この了解覚書の内容
2 この了解覚書を締結した正確な日時
3 この了解覚書を締結した日米それぞれの担当省庁・部署及び担当者
4 この了解覚書に基づいて今までに行われた全ての事実
をそれぞれ明らかにされたい。

  右質問する。