質問主意書

第128回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

二分脊椎症児等の教育に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成五年十月十四日

下村 泰   


       参議院議長 原 文兵衛 殿


   二分脊椎症児等の教育に関する質問主意書

 二分脊椎症は、妊娠初期に何らかの原因で胎児の脊椎骨の形成が阻害され、脊椎管の後部が開いたままの状態となり、脊椎がはみ出して腰部の瘤となってあらわれ、脊椎中枢神経障害をおこす。そのため、下肢の麻痺、皮膚感覚の欠除、膀胱障害、さらに水頭症や重大な腎臓障害をも併発する。
 このため、二分脊椎症の患児・者はもとより、家族の苦労・負担は余りにも大きく、本人の自立までには、数多くの問題が解決されなければならない。
 特に、学校教育における様々な制約、無理解は本人の意欲・努力を喪失させ、その能力を十分に発揮できず、自立にむけての取り組みを遅らせる結果となっている。
 学校教育における、こうした障害をカバーする配慮があれば、本人の自立への取り組みは大きく進むものと考える。そうした考えにもとづき、以下質問する。

一 二分脊椎症児をはじめ障害をもつ児童・生徒の就学については、本人及び親の希望を最優先とし、一律に普通学校又は養護学校に振り分けるべきではないと考えるがどうか。

二 普通学校に通学する障害児童・生徒は年々増加しており、段差の解消、手すり及びリフト・エレベーターの設置などの整備は早急に進められるべきと考えるがどうか。

三 普通学校において介助のための介護員・補助教員等の人的配置は、障害児童・生徒にとって必要な措置と考えるがどうか。

四 普通学校において車いすを利用する場合、現在の教室では狭く、一クラスの定員削減などの措置をとる必要があると考えるがどうか。

五 普通学校に通学する障害児童・生徒の増加に伴い、教師を志す学生にも教職過程において、養護学校及び障害児施設などでの実習を必修とすることが必要と考えるがどうか。

六 現在医療行為とされている導尿は、二分脊椎症児のような排泄障害がある場合、数時間毎に行う必要があり、その都度親が学校に行って行うことになり、本人の精神的自立を大きく遅らせるものである。学校における導尿については、生活行為として認めるべきと考えるがどうか。

七 国立の肢体不自由養護学校としては唯一の筑波大学附属桐が丘養護学校は、他の養護学校に先駆けた様々な試みを行う役割があると考えるがどうか。

八 現在普通学校で学ぶ障害児童・生徒の状態及び対応は多様であり、政府としてその実態を調査し、その上で、さらに障害児童・生徒が充実した学校生活が送れるように対策を講すべきと考えるがどうか。

  右質問する。