第127回国会(特別会)
質問第一号
大韓航空機事件の真相究明に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成五年八月十日 田 英夫
大韓航空機事件の真相究明に関する質問主意書 一九八三年(昭和五八年)九月一日、大韓航空〇〇七便が大幅な空路逸脱をした結果、カムチャッカ及びサハリンにおいて旧ソ連の領空を侵犯し、乗客・乗員二六九名の生命が犠牲になった事件に関し、我が国の国会は衆参両院において、それぞれ本会議における全会一致の決議をもって、政府に対し、事件の全貌を明らかにすることを要求している。
一 政府は去る六月一四日にICAO理事会が承認決議をしたとされる今回の報告(英文)に関し、私が要請した日本語訳文の作成を拒んでいるが、国会に対し、正確な日本語訳文を事件一〇周年に当たる来る九月一日までに提出する考えはないか(仮にその考えがない場合にはその理由を明らかにされたい。)。
1 ICAOが右報告書作成のために、組織した調査委員会(もしくは「チーム」)の名称及び構成メンバーの氏名、国籍、略歴を明らかにされたい。
(1)補助翼の位置、(2)昇降舵の位置、(3)方向舵の位置、(4)フラップ・ハンドルの位置、(5)フラップの位置、(6)前縁フラップの位置、(7)スポイラーの位置、(8)スピード・ブレーキ・ハンドルの位置、(9)油圧圧力、(10)着陸装置レバーの位置、(11)スクワット・スイッチの位置、(12)電波高度計による高度、(13)ILSとVORの選択した周波数、(14)マーカー(アウター、ミドル、インナー)、(15)フライト・ディレクターのモード、(16)航法モード・スイッチ、(17)速度・モード・スイッチ、(18)高度モード・スイッチ、(19)オートスロットルの使用、(20)スティック・シェイカー、(21)ナセル温度、(22)火災警報、(23)客室与圧警報、(24)推力レバー角度、(25)逆推力、(26)イベント・マーカー 5 政府が公表した「昭和五八年九月一日大韓航空機を要撃したソ連機の交信記録」(一九八三年九月七日公表)のうち、大韓航空〇〇七便が「方向を変えた」とか「減速している」とかの左記の記録に対応する時間帯については今回の「報告書」の内容と明らかに矛盾するので、フライト・レコーダーの秒単位の関連パラメーターの記録を明らかにされたい。 (1)時刻〇三時〇九分〇〇秒発(八〇五)そうだ、目標は方向を変えた。
6 政府が公表した「自衛隊のレーダーデータによる大韓航空機の高度及び速度等」(一九八五年二月二八日公表)において、大韓航空〇〇七便に高度及び速度の変更が認められている、一九八三年九月一日午前三時一二分から、同二九分に至る時間帯については、今回の「報告書」の内容と明らかに矛盾するので、フライト・レコーダーの秒単位の関連パラメーターの記録を明らかにされたい。 三 今後、政府は現在ICAOが原テープを所有するフライト・レコーダーやボイス・レコーダーの複製テープを国会に提出することにより、今回のICAOの報告書に対する、遺族や研究者らの不満を解消するために努力する考えはないか(仮にその考えがない場合にはその理由を明らかにされたい。)。 右質問する。 |