質問主意書

第126回国会(常会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一二六第四号

  平成五年四月二十七日

内閣総理大臣 宮澤 喜一   


       参議院議長 原 文兵衛 殿

参議院議員翫正敏君提出多国籍軍によるイラク爆撃に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員翫正敏君提出多国籍軍によるイラク爆撃に関する質問に対する答弁書

一について

 平成五年一月に行われた米国、英国及びフランスによるイラクに対する武力行使については、具体的状況等事実関係の詳細が必ずしも明らかでないこともあり、その法的根拠の詳細につき断定的なことを申し上げることは差し控えたいが、米国、英国及びフランスによる措置は、イラクが依然として国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)決議の重大な違反を繰り返していることを踏まえて、イラクによる安保理決議の履行を確保するため、既存の一連の関連安保理決議の枠内で執られたものであると理解している。

二について

 御指摘のイラクの施設及び当該施設に対して執られた措置に関する事実関係の詳細を政府として承知しているわけではないこと等から、特定の条約や国際連合総会決議に照らして、当該措置の国際法上の評価等につき、立ち入って判断を行うことは適当ではないと考えている。

三について

 当時波多野国連大使は安保理議長として、イラクの度重なる安保理決議違反に対し在国連イラク大使と何度かにわたり協議し、注意を喚起したほか、イラクの行動を非難し、関係安保理決議の即時履行を求める議長声明を発出する等事態の解決に努力した。