質問主意書

第126回国会(常会)

質問主意書


質問第一六号

JRの「乗務員勤務制度改正」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成五年六月十七日

栗原 君子   


       参議院議長 原 文兵衛 殿


   JRの「乗務員勤務制度改正」に関する質問主意書

 一九九三年三月十八日JR西日本はダイヤ改正を行い、「乗務員勤務制度改正」(表参照)を、労働組合の合意を得られないことから就業規則の改正をもって実施している。規則改正の実施後、次の諸点について問題が生じていると指摘されているので、この件についてJR各社の指導監督官庁である運輸省及び労働行政を所管する労働省に対し以下質問する。

一 三月十八日のダイヤ改正についてJR西日本では一部の労働組合の合意を得ないまま実施したことによりストライキが行われたと聞いている。社員の労働条件の変更についての話合いは合意を得てから行うべきと考えるが政府はどのように考えるか伺いたい。

二 JR西日本のダイヤ改正直後の三月二十五日に運輸省秦野裕鉄道局長より同社井手正敬社長に警告書が発せられたと聞くがその理由について政府は承知しているか、承知しているなら説明されたい。

三 JR西日本において一九九一年五月十四日発生した信楽高原鉄道事故について、その責任と補償等について政府が承知しているなら現状を説明されたい。

四 JR西日本では、三月十八日ダイヤ改正時を契機にそれまで実施していた「折り返し待合わせ時間」を労働基準法上の「見なし労働時間」としない制度としたが、この点につきJR西日本傘下の一部労働組合より訴訟が行われているが事実か。また、この取扱いについて平成五年三月二十六日参議院労働委員会において村上正邦労働大臣は「会社の管理下の監督の中で、指揮の下で待ち時間としておるならばこれは当然労働時間」と答弁している。そのとおり理解してよいのか。

五 JR西日本における三月十八日のダイヤ改正時以降、「乗務員勤務制度改正」中の一継続乗務の制限の改正により下関-広島間の列車(ブルートレイン)が一人乗務となったことについて次の質問に答えられたい。

1 三月十八日以降、下関運転所所属ブルートレイン運転資格者一〇四人中、九八人が反対し乗務を拒否していると聞いている。組合員の圧倒的多数の反対にもかかわらず新制度に移行しているのはJR西日本の経営上問題があると考えるが指導監督官庁としてどう考えるか。
2 新制度に移行するに当たって設備などの改良は行われたかどうか説明されたい。
3 新制度に反対している労働組合は「深夜の単独乗務は安全に責任はもてない」と主張しているが同社の安全に関する指導は社会的にも指弾され、信用をなくしていると思う。早急に三月十八日以前の制度に戻すべきであると考えるが、指導監督官庁としてどう考えるか。

  右質問する。

別表 JRの「乗務員勤務制度改正」について