質問主意書

第126回国会(常会)

質問主意書


質問第一五号

航空自衛隊教範「指揮運用綱要」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成五年六月十七日

翫 正敏   


       参議院議長 原 文兵衛 殿


   航空自衛隊教範「指揮運用綱要」に関する質問主意書

 航空自衛隊教範「指揮運用綱要」は、「航空自衛隊における部隊等の指揮・運用の基本的事項を明らかにし、教育訓練の一般的準拠を与えることを目的として編さんされたものである」(編さんの目的)。
 しかるにこの教範は、その記述に当たって「わが国に対する通常兵器による直接侵略の事態を主対象とし、防衛構想、編成、装備等については第三次防衛力整備計画を」(記述の前提)基準としている。
 そもそも教範とは「自衛隊の行動及び教育訓練を適切、かつ、有効に実施するために、部隊の指揮運用、隊員の動作等に関する教育訓練の準拠を示したもの」(防衛庁訓令第三四号「教範に関する訓令」第二条)であり、また、同教範は「航空自衛隊における教範体系の最上部に位置するもの」(教範「指揮運用綱要」の地位・性格)である。
 こうした重要な教範が防衛構想、編成、装備等について第三次防衛力整備計画-一九六六年一月二九日閣議決定-(以下「三次防」という。)を基準としていることは、現在日本の防衛計画が「防衛計画の大綱」-一九七六年一〇月二九日閣議決定-(以下「大綱」という。)に基づいて策定されたものであることにかんがみ、その内容の有効性に疑念を持たざるを得ず、政府の見解をただすため以下質問する。

一 編成、装備等が変更されれば、部隊の指揮運用も当然変更されるものと考えるが、政府の見解はどうか。

二 我が国の「防衛構想、編成、装備等」は、「三次防」以降第四次防衛力整備計画を経て現在「大綱」へと改定されてきているのであるが、この改定に併せて同教範も改定されなければ、「教範に関する訓令」でいうところの「行動及び教育訓練を適切、かつ、有効に実施する」上で支障を来すと考えるが、政府の見解はどうか。

三 同教範が想定する「わが国に対する通常兵器による直接侵略の事態」における敵戦力の編成、装備等は「三次防」の時代におけるそれなのか否か。

四 同教範は「防衛構想、編成、装備等については第三次防衛力整備計画を、諸法令に関しては現行法令を基準とした」(記述の前提)とあるが、

1 「諸法令」とは訓令、達等も含まれるのか。
2 「諸法令」に訓令、達等も含まれるのであれば、それらは「大綱」における編成、装備等に合わせたものであり、「諸法令」と「防衛構想、編成、装備等」はそごを来していると考えるが政府の見解はどうか。

  右質問する。