質問主意書

第126回国会(常会)

質問主意書


質問第七号

LNG広域幹線パイプライン建設構想等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成五年五月六日

荒 木 清 寛   


       参議院議長 原  文 兵 衛 殿


   LNG広域幹線パイプライン建設構想等に関する質問主意書

 平成三年度におけるLPガス需要は千九百三十九万トンで、昭和四十八年石油危機当時の九百七十六万トンに比べ、約二倍にも伸びており、家庭用、自動車用等と極めて幅広い分野で使用され、我が国一次エネルギー需要の約五%を占めるに至っている。
 特に、家庭用LPガスは、我が国全世帯数の約五十六%に当たる千八百五十万世帯に普及しており、国民生活にとって必要不可欠なエネルギーとして重要な役割を果たしている。
 また、将来におけるLPガス供給は、通商産業省の石油供給計画によれば、平成九年度には二千百九十二万トンと予測されており、今後とも大幅な増加が見込まれている。
 ところで、平成四年五月、通商産業大臣の諮問機関である総合エネルギー調査会都市熱エネルギー部会ガス基本問題検討委員会は中間取りまとめを行い、その中で、東京・名古屋・大阪の三大都市圏を広域の幹線パイプラインで結び、LNGを地域に供給するという提言を打ち出している。
 仮に、この構想が具体化された場合、都市ガス供給区域の拡大に伴い、中小零細企業の多いLPガス販売業者の経営を著しく圧迫し、ひいては国民生活に対するLPガスの安定供給に支障が生ずることも懸念される。
 そこで、以下の諸点について質問する。

一、幹線パイプラインの建設構想については、今後どのような手順で進める考えか。

二、平成五年度の資源エネルギー庁予算には、幹線パイプライン等天然ガス供給基盤整備調査費として二億五千万円が計上されているが、どのようなことに支出されるのか。

三、ある民間機関の試算によれば、同構想による幹線パイプライン平均輸送コストは、現在の大手ガス会社のパイプライン輸送コストを大幅に上回るとの結果も出ているようであるが、経済性についてはどのように考えているのか。

四、総合エネルギー調査会都市熱エネルギー部会は、昨年五月の中間取りまとめを具体化するために、近く審議を始めるようであるが、いつ頃、どのような機関で行うのか。再度、この基本問題検討委員会の場で審議する考えか。

五、幹線パイプラインの建設構想はLPガス販売業者にも大きな影響を及ぼすものであるにもかかわらず、総合エネルギー調査会都市熱エネルギー部会ガス基本問題検討委員会には、LPガス販売業界の代表は含まれていない。
 そこで、同業界代表を加えた新たな機関で、基本問題検討委員会の提言事項のほか、都市ガス供給区域の拡大に伴うLPガス販売業者との地域調整の在り方等についても検討の対象とすべきではないかと思料するがどうか。

六、ガス事業法第四十条の五では、当該法律によりその権限に属せられた事項を調査審議する地方ガス事業調整協議会が通商産業局に置かれているが、その所掌事務の範囲に、一般ガス事業者とLPガス販売業者との事業活動の調整に関する事項も含め、地域におけるガス供給が適切に行われるようにすべきではないかと思料するがどうか。

  右質問する。