質問主意書

第126回国会(常会)

質問主意書


質問第五号

市ケ谷台一号館保存運動に対する防衛庁の見解に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成五年四月五日

翫 正敏   


       参議院議長 原 文兵衛 殿


   市ケ谷台一号館保存運動に対する防衛庁の見解に関する質問主意書

 現在防衛庁本庁庁舎の市ケ谷移転に伴い、市ケ谷台一号館(以下「一号館」という。)の取壊しが図られようとしている。この取壊しに対し、思想的立場は別として心ある国民の間から一号館の取壊しに反対し、保存を求める運動が起きている。
 しかるに防衛庁においては、防衛庁参事官等が「市ケ谷地区一号館保存運動について」(平成五年二月、防衛庁)、「市ケ谷地区『一号館』保存問題に対する防衛庁の考え方について」(平成五年三月)と題する二つの文書を配布している。これら文書は一号館保存運動の動向について直接言及し、これに対する防衛庁の見解をまとめたものである。
 私は国会議員として、また日本のかつての侵略戦争の責任を永久に記録する必要性を認識する立場から、一号館保存運動にかかわってきたがゆえに、こうした防衛庁の行為を看過することができない。さらには日本で最強の実力組織を有する防衛庁が、憲法で保障された国民の請願活動に干渉するがごときは、民主主義の根底を揺るがすものであり、政府の見解を明らかにするために以下質問する。

一 両文書は防衛庁が作成したものか。

二 両文書を作成した理由についてそれぞれ明らかにされたい。

三 両文書を配布した時期及び配布先についてそれぞれ明らかにされたい。

四 両文書で書かれている内容は防衛庁の公式の見解か。

五 「市ケ谷地区一号館保存運動について」(平成五年二月、防衛庁)においては「前国会において、参議院に一号館の保存に関する請願を提出するといった活動を行っており(内閣委理事会において保留扱いとなった。)、今国会においても同様の動きがみられるところである。」という記述があり、さらに「市ケ谷地区『一号館』保存問題に対する防衛庁の考え方について」(平成五年三月)においても「国会にそのための請願を提出する等の動きをみせているところである。」と記述されている。
これに関し、

1 国民が国会に請願を提出することになぜ防衛庁は関心を寄せる必要があるのか。
2 防衛庁はいかなる手段を用いて国民が今国会に請願を提出する動きについて知ったのか。
3 このように国民が請願を提出する動きについて監視している部署が防衛庁において存在するのか。

  右質問する。