質問主意書

第125回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

国民健康保険助産費等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成四年十一月二十六日

小野 清子   


       参議院議長 原 文兵衛 殿


   国民健康保険助産費等に関する質問主意書

 国民健康保険は、被保険者の疾病、負傷、出産、死亡に関して必要な保険給付を行うこととされている。
 出産や死亡に関しては、国民健康保険法第五十八条に、市町村は条例の定めるところにより助産費の支給もしくは助産の給付または葬祭費の支給もしくは葬祭の給付を行うものとする。ただし特別の理由があるときは、その全部又は一部を行わないことができる旨規定されている。
 また、平成四年度から市町村に対する「助産費補助金」は、奨励的補助金であるとの理由で廃止され、代わりに地方交付税によって所要額を市町村に交付されることとなった。
 さらに、「健康保険法施行令等の一部を改正する政令」(平成四年政令第八十号)により、政管健保の分娩費の最低保障額及び配偶者分娩費の額が改正前の二十万円から二十四万円となった。
 右の諸点を踏まえ、国として地方自治体に対する指導等に関して、以下質問をする。

一 国民健康保険助産費は、平成三年度における助産費補助金の基準額は十三万円であった。全国の市町村における平成三年度の助産費の支給額別市町村数は、どのような状況であったか。

二 国民健康保険助産費は、平成四年度においては政管健保の分娩費最低保障額が二十四万円に引き上げられることを勘案して、助産費についても二十四万円に引き上げられるように、市町村に対する地方交付税の交付額の算定基礎となる基準財政需要額に二十四万円の三分の二を算入された。
 このことは、市町村に助産費を二十四万円に引き上げるよう指導をされていると思料する。
 政府は、助産費の支給基準額について都道府県や市町村にどのように指導をしているか。
 また、全国の市町村における平成四年度の助産費の支給額別市町村数はどのような状況であるか。

三 国民健康保険葬祭費は、従来から国民健康保険法に基づく給付であるが、国の補助もしくは助成はないいわゆる地方単独事業であり、その水準について、政府は特に示していないものと思料する。
 助産費を、政管健保の分娩費最低保障額の二十四万円に引き上げたものであるならば、葬祭費は、政管健保の埋葬料最低保障額及び家族埋葬料の十万円と最低限同額にすべきものと思料する。
 政府は、葬祭費の支給基準額について都道府県や市町村にどのように指導をしているか。
 また、全国の市町村における平成四年度の葬祭費の支給額別市町村数はどのような状況であるか。

四 市町村においては、助産費及び葬祭費の支給額改定にあたっては、国民健康保険法第十二条の規定に基づき、あらかじめ都道府県知事に対して協議をする旨規定されている。
 岩手県花巻市においては、助産費補助金の基準額が十三万円のとき、平成三年七月から助産費は二十万円に、また、群馬県富岡市においては、平成四年四月から助産費は二十五万円に、それぞれの県の承認あるいは同意を得て改定されている。
 また、埼玉県においては、葬祭費は十万円あるいは十二万円の金額に県の同意を得て改定された市町村が数多く存在する。
 反面、承認あるいは同意を得られず助産費について二十四万円を超える金額に改定出来ない市町村、葬祭費について五万円を超える金額に改定出来ない市町村もあるやに承っている。
 助産費については、二十四万円を超える金額は地方交付税の交付額の算定基礎となる基準財政需要額の算定外となること、及び、葬祭費については、もともと、基準財政需要額の算定外であることにかんがみ、その市町村における国民健康保険財政状況、その市町村における実勢価格、その市町村における実情等により、それぞれの市町村の改定意志を最大限尊重すべきものと思料する。
 政府は、国民健康保険法第十二条の規定に基づき市町村長から都道府県知事に協議がなされたとき、都道府県に対してどのような判断基準で承認あるいは同意を与えるべきと指導をしているか。
 また、政府は、助産費及び葬祭費について、その支給金額の水準はどうあるべきと考えているのか。

  右質問する。