質問主意書

第123回国会(常会)

答弁書


答弁書第二一号

内閣参質一二三第二一号

  平成四年七月十四日

内閣総理大臣 宮澤 喜一   


       参議院事務総長 戸張 正雄 殿

参議院議員山田俊昭君提出核燃料物質の移動・貯蔵・取扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員山田俊昭君提出核燃料物質の移動・貯蔵・取扱いに関する質問に対する答弁書

一の1について

 動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)東海再処理工場における使用済燃料の再処理料金は、平成二年度に二億四千八百万円となっている。

一の2について

 電気事業者が動燃に支払うトン当たりの再処理料金は、一の1についてに述べたとおりである。

一の3について

 我が国の電気事業者が英国核燃料会社(BNFL)及びフランス核燃料会社(COGEMA)に委託している使用済燃料再処理役務の費用については、私企業の営業活動の内容に触れるものであり、商取引に影響を及ぼすおそれがあるため、政府からのお答えは差し控えさせていただきたい。

一の4について

 動燃が平成三年に購入したプルトニウムのキログラム当たりの価格は、約百二十万円である。

一の5について

 平成四年秋ごろに返還される予定のプルトニウムの売買代金は確定していない。

一の6について

 平成四年秋ごろに返還される予定のプルトニウムを動燃に売り渡す予定の電気事業者は、東京電力株式会社、中部電力株式会社、関西電力株式会社、中国電力株式会社、四国電力株式会社、九州電力株式会社及び日本原子力発電株式会社であり、売り渡されるプルトニウムの重量は確定していない。

一の7の(1)について

 平成四年秋ごろに実施する予定のプルトニウム返還輸送に使用する輸送船の所有者は、我が国の民間会社である。
 同船舶の取得に伴う対価については承知していない。

一の7の(2)について

 今回のプルトニウム返還輸送には、日本から欧州へ使用済燃料を安全に運搬した多くの実績を有する使用済燃料専用運搬船を改造して使用することとしている。その改造は、動燃が依頼しており、そのための経費として約十四億円を計上している。

一の7の(3)について

 今回のプルトニウム返還輸送に使用する輸送船の船籍港は、東京都である。

一の7の(4)について

 今回のプルトニウム返還輸送に使用する輸送船の船名については、輸送船を特定することになるので、核物質防護の観点からこれを公表することは適当でない。
 同輸送船の総トン数は、約五千トンである。

一の8について

 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(昭和六十三年条約第五号)第十一条に基づく両国政府の間の実施取極附属書五Bにいうところの輸送計画については、現在、作成中である。

二の1について

 千九百八十三年十二月三十一日現在における在庫量が、二百二十九トンであることによる。

二の2から5までについて

 「核燃料物質移動量」は主要な原子力施設間における核燃料物質の移動量等を表したものであることから、当該施設とこれ以外の施設との間の核燃料物質の移動量は記載していないこと、原子炉施設における使用済燃料の払出量は実測困難なため計算値で報告されていることから、実際の払出量との間で差が生じること等による。

二の6について

 主要な原子力施設間における核燃料物質の移動量及び当該施設における核燃料物質の在庫量を表したものである。

二の7について

 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第六十七条第一項並びに国際規制物資の使用に関する規則(昭和三十六年総理府令第五十号)第七条第一項、第二項、第四項、第八項、第十項及び第十二項の規定に基づく報告に基づいて作成した。

二の8について

 核兵器の不拡散に関する条約第三条1及び4の規定の実施に関する日本国政府と国際原子力機関との間の協定(昭和五十二年条約第十三号)第六十三条の規定に基づき、日本国政府は在庫変動報告及び物質収支報告を国際原子力機関(IAEA)に提出している。また、国際原子力機関は、保障措置実施の結果、有意量の核物質が核兵器その他の核爆発装置の製造のため又は不明な目的のために転用された事実はなかったと、国際原子力機関年報において記述している。