質問主意書

第123回国会(常会)

答弁書


答弁書第一九号

内閣参質一二三第一九号

  平成四年六月三十日

内閣総理大臣 宮澤 喜一   


       参議院議長 長田 裕二 殿

参議院議員翫正敏君提出イラン軍機によるイラク領爆撃と国連安保理決議六七八に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員翫正敏君提出イラン軍機によるイラク領爆撃と国連安保理決議六七八に関する質問に対する答弁書

一について

 一般論としては、国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)において有効に成立した決議が、決議自体の特段の定め又は安保理の別途の決議によることなく無効になるとは考え難いが、安保理決議が実施に移された結果、決議の目的が達成されれば、その決議の役割は果たされたことになると考えられる。
 安保理決議六七八は、国際の平和と安全を回復するために、あらゆる必要な手段を採る権限をクウェイト政府に協力している国際連合加盟国に与えること等を内容とするものであるが、同決議に基づいていわゆる「多国籍軍」の活動が行われた結果、イラク軍はクウェイトから撤退した。

二について

 御指摘の爆撃については、イラン政府自身が、イラン反体制派によってイラク領内からイランに対して行われた攻撃に対する措置であるとの立場を明らかにしていることにかんがみれば、同措置は、安保理決議六七八に基づくものとは解されない。

三について

 我が国としては、イラクが安保理決議六七八により完全な遵守が求められている諸決議を含め、関連安保理決議を速やかに履行するよう強く求めていく所存である。