質問主意書

第122回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七号

内閣参質一二二第七号

  平成三年十二月二十日

内閣総理大臣 宮澤 喜一   


       参議院議長 長田 裕二 殿

参議院議員小笠原貞子君外一名提出消防業務並びに消防職員の労働条件改善に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員小笠原貞子君外一名提出消防業務並びに消防職員の労働条件改善に関する質問に対する答弁書

一の1について

 消防力の基準に対する充足率の状況は、次表のとおりである。

図 表

一の2及び3について

 消防力の充実については、今後とも、地域の実情に即し、計画的な推進を図るよう市町村を指導するとともに、引き続き国庫補助金を始め所要財源の確保に努めてまいりたい。

二の1について

 救急業務については、救急隊の編成基準等を踏まえ、適切な運用が図られるよう引き続き指導に努めてまいりたい。

二の2について

 新たに拡大した応急処置等のうち比較的軽易なものに対応する教育訓練については、各都道府県等の消防学校において可能な限り早期に実施されるよう指導に努めているところであり、平成三年度中に大部分の消防学校で、平成四年度には全国すべての消防学校で教育訓練が開始される予定であると承知している。
 また、救急隊員を対象とする救急救命士の資格取得のための教育訓練については、財団法人救急振興財団及び一部の消防学校において既に開始されているところであり、今後とも、救急救命士の早期養成を目指し、財団法人救急振興財団を中心とした教育訓練体制の整備を促進するとともに、円滑な教育訓練が実施されるよう、引き続き適切に対処してまいりたい。

二の3について

 高規格の救急自動車や最新救急資器材等の整備については、一部の地方公共団体において自主的な取組が進められてきたところであるが、本年度から新たな国庫補助制度として「救急高度化推進整備事業」を設けたところであり、今後とも、その全国的な整備の促進に努めてまいりたい。

三の1及び2について

 消防防災施設等整備費補助金については、従来からその充実に努めてきたところであり、今後とも努力してまいりたい。

三の3について

 防災まちづくり事業については、引き続き、地域の実情等に即し適切な運用を図ってまいりたい。
 災害弱者緊急通報システムについては、これまでの実績等を踏まえながら、今後の在り方について検討してまいりたい。

四について

 消防団の重要性にかんがみ、従来から団員報酬及び出動手当に係る地方交付税措置の充実、公務災害における補償基礎額及び退職報償金の引上げ等を図ってきたところであり、今後とも努力してまいりたい。

五の1について

 三部制を全部又は一部採り入れている地方公共団体は、平成三年四月一日現在で六十四団体となっている。

五の2及び3について

 三部制の導入については、職員数の確保の問題はもとより、職務の実態その他の事情を含め総合的に勘案しつつ、更に検討する必要がある問題であると考えている。
 なお、現在、政令指定都市のうち四市において、一部の業務について三部制を導入している。

五の4について

 消防職員のうち交替制職員に係る週四十時間勤務制については、その試行について指導しているところであるが、基本的には当該地方公共団体の市町村長部局等の職員と同様に対処することが適当であると考えている。

五の5について

 消防職員の勤務時間の短縮に当たっては、国家公務員及び他の地方公務員と同様、公務能率の向上に努め、毎日勤務者の活用、職員配置の弾力的運用等により消防体制の確保を図りながら、適切に対応していくよう指導しているところである。

五の6について

 消防職員の処遇については、今後ともその勤務の実態に応じた適切なものとなるよう努めてまいりたい。

五の7について

 消防装備の軽量化、省力化、安全化等については、これまでの開発・導入状況、今後における推進上の諸課題とその対応策等を取りまとめた検討委員会の報告書を各消防本部等に送付したところであり、この報告書も参考にしつつ、適切な取組がなされるよう引き続き指導してまいりたい。

六について

 ILO条約勧告適用専門家委員会に対しては、平成三年三月以降、情報提供は行っていない。
 政府は、平成二年十月に公務員問題連絡会議における消防職員の団結権問題に関する一連の意見聴取を終了し、その後、自治省とこの問題に密接な関係を有する労働団体との間で定期的な協議の場を設け、現在協議を行っているところである。
 政府としては、この問題について、現段階では結論を得る時期を明示できないが、引き続き、検討してまいりたい。