質問主意書

第120回国会(常会)

質問主意書


質問第三二号

米軍機による岩手県宮古市での被害に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成三年五月八日

小川 仁一   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   米軍機による岩手県宮古市での被害に関する質問主意書

 去る五月一日、岩手県内において米軍三沢基地所属のF16戦闘機による衝撃波によって宮古市を中心として大きな被害が発生した。
 被害は民家、病院、学校など百件を超えており住民は大きな怒りと不安を感じている。岩手県内における米軍機による被害は昭和六十三年以来三件目であり、本年三月十三日には近隣の釜石市においても同様の被害が発生している。
 また、昭和六十三年九月二日には同じく米軍三沢基地所属のF16戦闘機が岩手県川井村の山林に墜落、炎上する事故が起きている。
 幸い人命にかかわる被害とはなっていないものの、このような相次ぐ米軍機による事故、被害によって住民の生活は大きく脅かされている。
 わが国の領空における米軍機の訓練は日米安全保障条約及びそれに基づく日米地位協定にその根拠が求められるものであるので、以下質問する。

一 被害の状況を明らかにされたい。

二 政府は被害に対してどのような措置をとったのか明らかにされたい。

三 政府は、米軍三沢基地司令部あるいは在日米軍司令部に対して、明確な形で抗議し二度とこのような被害を起こさせないよう求めるべきと考えるが、どのような措置をとったのか明らかにされたい。
また、それに対する米軍三沢基地司令部あるいは在日米軍司令部の回答があったのであれば、それを明らかにされたい。

四 米軍三沢基地司令官は被害が発生するたびに「二度とこのようなことが起きないよう努める」と繰り返し言明しているが、事故や被害は跡を絶たない。
 このような事態を二度と招かないためには、被害の発生が予想される地域では一切の訓練を行わせないこと、百歩譲っても国際的ルールである陸上上空での音速を超えた飛行の禁止が必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

五 政府は第四の質問について、米国政府あるいは在日米軍司令部に、要求又は通告すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

六 被害に対する補償は迅速に行われるべきものと考えるが、防衛施設庁の説明によれば本年三月に起きた釜石市における被害に対する補償もいまだ終わっていないとのことである。被害発生後既に約二カ月が経過していながら、いまだ被害の補償が終了していない理由を明らかにされたい。
また、宮古市における被害の補償の時期を明らかにされたい。

  右質問する。