質問主意書

第120回国会(常会)

質問主意書


質問第五号

びんのリサイクル促進等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二年十二月二十六日

上田 耕一郎   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   びんのリサイクル促進等に関する質問主意書

 東京都清掃局が直接収集している不燃ごみの組成で、第一位はガラスであり、ごみの抑制、資源の有効利用にとっても、ガラスびんのリサイクル促進は重要な課題である。
 しかし、ワンウェーびんが増加し、びんのリサイクルを支えてきたびん回収業者も経営難による転廃業が相次いでおり、びんのリサイクルシステム自体、危機に直面している。
 こうした事態を回避し、びんのリサイクル促進をめざし、直面している問題解決のため、以下質問する。

一 ビールびんの安定的なリサイクルの中で、びん回収業者は大きな役割を担っているが、回収業者の回収手数料は低く押さえられている。
 ところが、ビールメーカー各社は今年三月、流通コストを理由に大びん一本当たり二十円の値上げをしながら、回収手数料には、何ら還元しないままとなっている。
 リサイクルシステムを維持発展させるためにも、回収手数料が実情に即して引き上げられるよう、関係業界に適切な指導を図るべきと考えるがどうか。

二 びんのリサイクルを促進する上で、ビール、清酒一升びんを除き、びん容器の形状等の不統一を解決することが求められている。清酒、ウイスキー、ワインなど各分野ごとに、調整可能な範囲で統一規格によるびんの再使用システムを確立するよう業界に働きかけるべきと考えるがどうか。

三 酒類びんの中でも、洋酒びんは、回収・再使用の比率が低くとどまっている。ウイスキー分野では、出荷高一位、二位を占める銘柄のウイスキーの出荷量は年間一億二百万本になるが、いずれも一回使用にとどまっている。こうした大量に消費される容器こそ再使用に転換するよう指導すべきと考えるがどうか。

四 資源のリサイクル推進にとって回収業者の役割は重要である。しかし東京では地価高騰なども反映し、経営難から廃業していく回収業者が続出している。
 大都市の回収業者がその社会的役割を今後も果たせるよう、ヤード等に対する固定資産税等の特別の減免措置を講ずるべきと考えるがどうか。

五 資源回収によるリサイクルを促進する上で、一定の空間を必要とするヤード等の整備が不可欠だが、東京都内のように異常な地価高騰が進んでいる地域では、自治体に財政的負担が大きくかかる。
 大都市地域における自治体の資源回収、リサイクルを促進するために、財政支援を含む国の支援策を強化すべきと考えるがどうか。

  右質問する。