質問主意書

第119回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質一一九第一号

  平成二年十一月二十七日

内閣総理大臣 海部 俊樹 


       参議院議長 土屋 義彦 殿

参議院議員上田耕一郎君提出自衛隊市ケ谷基地に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員上田耕一郎君提出自衛隊市ケ谷基地に関する質問に対する答弁書

一について

 防衛庁本庁庁舎等の移転計画(以下「移転計画」という。)に係る市ケ谷地区における埋蔵文化財の発掘調査は今後実施される予定であり、現在までのところ、東京都新宿区又は防衛庁独自による埋蔵文化財の発掘調査は実施されていない。
 なお、東京都新宿区教育委員会が平成二年七月に作成した「新宿区市ケ谷本村町五-一(陸上自衛隊市ケ谷駐屯地)における埋蔵文化財存否確認調査概要報告書」によると、「百箇所の試掘坑を調査した結果、五百九十二基の遺構と六千六百十点の遺物を検出するに至った。五百九十二基の遺構は、ほとんど江戸時代に比定されるもの」とされており、また、「遺物の所属時代は各時代にわたるものの、大半は江戸時代に属するものであった。」とされている。

二について

 市ケ谷地区における埋蔵文化財の発掘調査については、現在のところ、これをいつどのようなかたちで実施するか未定であり、その予算額について申し述べる段階にはない。

三について

 移転計画は、市ケ谷地区における埋蔵文化財の発掘調査により、当初の予定より遅延することは避け難いものと考えているが、防衛庁としては、可能な限り早期に移転計画を完了できるよう努めてまいる所存である。

四について

 移転計画のうち市ケ谷地区に係るものについては、東京都環境影響評価条例(昭和五十五年十月二十日東京都条例第九十六号)の対象事業には該当しないが、防衛庁としては現在自主的に実施中の同地区に係る環境調査の結果を踏まえ、関係法令を遵守の上本計画を実施してまいる所存である。

五について

 市ケ谷地区におけるヘリコプターの離着陸場は、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)上の飛行場として計画しているものではないが、その構造等について、同法上の飛行場の設置に関する基準も参考とし、これを設置する予定である。

六について

 昭和六十三年度においては、防衛庁長官等の輸送に使用した。

七について

 市ケ谷地区における埋蔵文化財の取扱いについては、関係法令に従うとともに、関係地方公共団体と十分調整の上、適切に対処することとしているが、移転計画のうち同地区に係るものについては、発掘調査を実施しつつ推進してまいる所存である。

八について

 市ケ谷地区は防衛施設として重要な施設であり、引き続き使用していく考えである。