質問主意書

第119回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

白内障の人工水晶体手術への保険適用等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二年十一月二日

上田 耕一郎   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   白内障の人工水晶体手術への保険適用等に関する質問主意書

 老人性白内障は、六十歳で約半数、七十歳では約七割の高齢者に発生するといわれるほど、多くの高齢者共通の障害となっている。
 この老人性白内障の治療として、コンタクトレンズ挿入等の困難な高齢者にとって、眼内レンズ・人工水晶体を入れることが、最も効果的だといわれている。
 しかし、費用が一眼で十万円以上と高額なために、人工水晶体手術を希望しながらも、あきらめざるをえない高齢者が多数残されている。そのために、一部の地方自治体では、補助金交付等の積極的施策も始まっている。
 そもそも医学の進歩は、貧富の差にかかわりなく、国民が平等に享受されるべきであり、そのために、人工水晶体手術への健康保険適用は当然の措置だと考える。
 国として、人工水晶体手術を必要とする高齢者が、高負担なしに手術が受けられるよう、積極的な施策を採るべきだと考え、以下質問する。

一 人工水晶体とその手術は、既に効果が確実に確かめられている以上、健康保険適用の対象とすべきと考えるがどうか。

二 老人福祉法は、「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、かつ、健全で安らかな生活を保障されるものとする。」とうたっている。
 この老人福祉法の立場から、健康保険の全面適用に至る前に、高齢者に限定し、一定の補助制度等を検討すべきでないか。

三 自治体での助成事業を援助、促進するために、助成事業に対して、国としても援助措置を検討すべきでないか。

  右質問する。