質問主意書

第118回国会(特別会)

答弁書


答弁書第一号

内閣参質一一八第一号

  平成二年六月十二日

内閣総理大臣 海部 俊樹   


       参議院議長 土屋 義彦 殿

参議院議員上田耕一郎君提出古紙の回収、再利用等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員上田耕一郎君提出古紙の回収、再利用等に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、従来から、古紙の回収及び利用の促進を図ることが省資源、省エネルギー等の観点から重要な政策課題であると認識し、その啓蒙・普及に努めてきたところであり、我が国の製紙原料に占める古紙の割合は、世界的にも最高の水準である約二分の一に達している。
 また、近年では、地球環境問題の一環としての森林資源の保護及び都市におけるごみ処理問題の解決の観点からも、古紙の回収及び利用の一層の促進を図ることが必要となっており、平成二年三月二十九日の省エネルギー・省資源対策推進会議及び地球環境保全に関する関係閣僚会議幹事会において、政府全体で再生紙の使用及び古紙の分別回収の実施に取り組むとともに、地方公共団体、民間企業等に対してその普及に努めることを申し合わせた。さらに、平成二年度においては、財団法人古紙再生促進センターへの助成を通じ、現在回収の進んでいないオフィスから排出される古紙の回収システムを確立するためのモデル事業を実施することとしている。地方公共団体等が従来から実施してきた家庭等から排出される古紙回収についても、引き続き推進するよう指導することとしている。
 政府としては、古紙の回収及び利用の促進について、今後とも一層の努力をしてまいる所存である。

二について

 古紙回収の促進を図るためには、古紙利用の拡大を通じて古紙に対する需要を高めていくことが基本であり、仮に古紙に対する実需を踏まえずに古紙の価格維持制度を創設しても、結果的には回収した古紙が資源として有効に利用されないことになる。
 かかる観点から、政府としては、省エネルギー・省資源対策推進会議及び地球環境保全に関する関係閣僚会議幹事会において、自ら再生紙の使用に取り組むとともに、地方公共団体、民間企業等に対してその普及に努めることを申し合わせるなど、古紙利用の増大に努めているところである。
 なお、我が国の製紙原料の供給源に占める熱帯雨林の割合は、一パーセント以下である。

三について

 古紙回収の促進を図るためには、古紙利用の拡大を通じて古紙に対する需要を高めていくことが基本であり、仮に古紙に対する実需を踏まえずに古紙の価格維持制度を創設しても、結果的には回収した古紙が資源として有効に利用されないことになる。
 かかる観点から、政府としては、省エネルギー・省資源対策推進会議及び地球環境保全に関する関係閣僚会議幹事会において、自ら再生紙の使用に取り組むとともに、地方公共団体、民間企業等に対してその普及に努めることを申し合わせるなど、古紙利用の増大に努めているところである。

四について

 政府としては、現在、古紙回収業者に対して、古紙こん包装置に係る税額控除又は特別償却、事業所税の軽減等の税制上の優遇措置を講じているところである。

五について

 我が国における古紙の回収率及び利用率の高さは、既に世界的にも最高の水準に達している。
 また、政府としては、省エネルギー・省資源対策推進会議及び地球環境保全に関する関係閣僚会議幹事会において、自ら再生紙の使用及び古紙の分別回収の実施に取り組むとともに、地方公共団体、民間企業等に対してその普及に努めることを申し合わせたところであり、地方公共団体、民間企業等も古紙の回収及び利用に取り組んでいるところである。
 政府としては、かかる取組により、古紙の回収が拡大していくことを期待している。

六について

 再生紙利用の拡大については、政府としては、省エネルギー・省資源対策推進会議及び地球環境保全に関する関係閣僚会議幹事会における申合せを踏まえ、現在、地方公共団体、民間企業等に対してその普及を行っており、地方公共団体、民間企業等においても、再生紙の利用を計画し、これに取り組むものが増加している。政府としては、かかる取組により、再生紙の利用が拡大していくことを期待している。
 なお、古紙の回収及び利用の促進のための広報活動については、従来から、財団法人古紙再生促進センターの実施する啓蒙・普及活動に対する支援等を行ってきたところであり、今後とも、引き続き同センターへの助成の充実を図るとともに、政府広報等を通じて広く国民に古紙の回収及び利用の促進を呼び掛けていく所存である。