質問主意書

第117回国会(常会)

質問主意書


質問第三号

身体障害者等に対する有料道路通行料金割引制度の適用拡大に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二年一月十二日

塩出 啓典   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   身体障害者等に対する有料道路通行料金割引制度の適用拡大に関する質問主意書

 近年、有料道路の整備の進展に伴い、歩行機能が失われているため自動車を足代わりとして運転する身体障害者が、有料道路を日常的に利用する機会が増大している。
 このため、身体障害者の社会的自立の一助として、身体障害者に対する有料道路料金の特別割引措置が講じられているが、現行の割引制度は、肢体不自由者が、本人又はこれと生計を一にする者が所有する自動車を自らが運転する場合に限定されており、介護者が運転する場合や身体障害者本人又は家族所有以外の自動車を運転する場合には認められていない。
 また、心臓、腎臓等の機能に障害を持つ内部障害者については、割引制度の対象からは除外されている。
 しかしながら、同じ交通輸送手段である鉄道及び航空の運賃については、既に介護者割引が実施されており、更に、平成二年二月一日から内部障害者に対する割引も実施されることになった。
 このような状況を踏まえ、また、身体障害者、内部障害者等の社会的自立の自助努力及び経済的負担の軽減を図るため、有料道路における料金割引制度の適用を拡大する必要がある。
 よって、以下質問する。

一 内部障害者は、高度な専門医療を必要とし、通院・入院のための交通費負担は多額なものになっている。従って、内部障害者に対する有料道路料金割引制度の適用は、社会的・経済的自立の促進を図る上からも必要不可欠であると考えるがどうか。

二 不測の身体運動や姿勢傾斜、車いすトイレ等生理的現象、虚弱体力等を配慮し、身体障害者のために介護者が運転する場合も、有料道路通行料金の割引制度を適用すべきであると考えるがどうか。

三 経済的事情等により、自動車の自己所有等が困難等の事情を考慮し、身体障害者本人及びこれと同一生計者所有以外の自動車の運転を行う場合も、有料道路通行料金の割引制度を適用すべきであると考えるがどうか。

  右質問する。