質問主意書

第116回国会(臨時会)

答弁書


第百十六回国会答弁書第一〇号

内閣参質一一六第一〇号

  平成二年一月十九日

内閣総理大臣 海部 俊樹   


       参議院議長 土屋 義彦 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出ビーチクレスト90と沖縄の空の安全に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出ビーチクレスト90と沖縄の空の安全に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘は、一部の新聞により報道された平成元年十二月五日の南西航空百三便及び百四便に係るものと推測されるが、米軍沖縄進入管制所による両便に対する経路及び高度の設定は、いずれも通常の航空管制の一環として行われたものであり、両便の運航に遅延等の事態も生じなかったと承知している。

二から四までについて

 米軍は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)の目的達成のために我が国に駐留し、必要な訓練を実施しているものであるが、今回のいわゆるビーチクレスト90と同様の演習についても、このような目的を達成する上で必要なものと理解しており、これを中止するよう米側に求める考えはない。
 また、御指摘の空域については、従来から航空保安職員の確保、航空路監視レーダーその他航空保安施設の整備拡充等を行うことにより航空管制の処理能力の増強に努めるとともに、航空路と米軍の使用する訓練空域の分離等の措置を講じてきたほか、米軍の演習の際には必要に応じて事前に米側と演習に係る空域、日時等について所要の調整が行われているところであり、今後とも、かかる調整を含め御指摘の空域における民間航空機の航行の安全を確保するため万全を期してまいりたい。
 なお、かねてより、我が国における米軍の円滑な駐留を確保するためには地域住民の理解と協力が得られることが重要であると考えており、演習を含む米軍の諸活動が地域住民に及ぼす影響を最小限にすることが重要であるとの観点から、日米合同委員会等を通じ米側に対しこの点につき十分な配慮を求めてきたところであるが、今後ともこのような努力を行ってまいりたい。