質問主意書

第114回国会(常会)

質問主意書


質問第一号

貸金業者の金利取締りに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成元年一月二十日

猪熊 重二   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   貸金業者の金利取締りに関する質問主意書

 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下「金利取締法」と略称する)第五条第二項は、貸金業者(貸金業の規制等に関する法律第二条にいう貸金業者)の高金利貸付けを処罰する内容であり、年四十・〇〇四パーセント(二月二十九日を含む一年については年四十・一一三六パーセントとし、一日当たりについては〇・一〇九六パーセント)を超える割合による利息の契約・受領を処罰するものとしている。しかし、同法は、更に附則(昭和五十八年五月十三日法律第三十三号)第三項によって、右の利率につき、同法施行(昭和五十八年十一月一日)後三年を経過する日(昭和六十一年十一月一日)の翌日から別に法律で定める日までの間は、年五十四・七五パーセント(同前五十四・九パーセント、同前〇・一五パーセント)と読み替えるものとされている。
 その上で、同法附則第四項は、右読み替え適用特例の終期である「別に法律で定める日」の確定について、同法施行日から起算して五年を経過した日(昭和六十三年十一月一日)以降において、資金需給の状況その他の経済・金融情勢、貸金業者の業務の実態等を勘案して検討を加え、速やかに定めるべきものと規定している。
 現下の経済情勢・低金利の現状等を勘案するならば、右特例は直ちに廃止すべきものと思料される。従って、右特例廃止のための終期が直ちに法定され施行さるべきものである。
 右状況を前提として、以下のとおり質問する。

一 政府は、右「法律で定める日」を確定する資料として、現時における「資金需給の状況その他の経済・金融情勢、貸金業者の業務の実態」をどのように把握しているか。

二 政府は、右「法律で定める日」すなわち貸金業者に対する金利特例廃止のための終期の確定のための法律案を作成し、国会に提出する方針であるか。仮に、その方針であるとすれば、その時期はいつか。

三 右法律案を作成する予定を有しないとするのであれば、それはいかなる理由によるものか。

  右質問する。