質問主意書

第113回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一三号

内閣参質一一三第一三号

  昭和六十三年十一月一日

内閣総理大臣 竹下 登   


       参議院議長 土屋 義彦 殿

参議院議員吉川春子君提出自衛隊・米軍の通信基地の電波障害対策等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員吉川春子君提出自衛隊・米軍の通信基地の電波障害対策等に関する質問に対する答弁書

一の1について

 御指摘の通信所は、我が国の防衛に必要な情報資料を作成するため、我が国の上空に飛来する各種の電波を収集整理することを任務としている。

一の2について

 同通信所は、陸上幕僚監部調査部調査第二課調査別室大井通信所である。その昭和六十二年度末定員は、陸上自衛隊約七十人、海上自衛隊約十人、航空自衛隊約十人であり、自衛隊の隊員以外で勤務している者はいない。なお、これらの者の階級については、事柄の性質上、答弁することを差し控えたい。

一の3について

 御指摘の施設は、我が国の上空に飛来する各種の電波を収集整理するためのものである。

一の4について

 同通信所の施設外に張つてあるアンテナは、土地所有者の了解を得て整備したものである。なお鉄塔用地については、防衛庁行政財産として購入したものである。

一の5について

 防衛施設庁は、大井町の要請を受け、昭和六十三年にテレビ受信障害の実態を調査したところ、発生時期については確認できなかつたが、大井町亀久保の一部にいわゆるゴースト現象が確認されたので、その原因の調査を日本放送協会に依頼した。その調査の結果、その原因は、同通信所のアンテナの影響によるとのことであつた。

二の1及び2について

 依佐美通信所の機能及び役割については、米軍の運用にかかわる問題であり、その詳細を承知する立場にはないが、同通信所は、米海軍の電気通信システムの一部をなし、超長波送信を行つているものと承知している。同通信所は、横須賀の在日米海軍通信隊が運用していると承知しており、また、米軍の要員は、常駐していないと承知している。

二の3及び4について

 防衛施設庁は、刈谷市の要請を受け、昭和五十二年にテレビ受信障害の原因の調査を日本放送協会に依頼した。
 その調査の結果、発生時期については確認できなかつたが、刈谷市の一部にいわゆるゴースト現象が確認され、その原因は、同通信所のアンテナの影響によるとのことであつたので、その対策として良画質を得るための指向性の強い個別受信アンテナを次表のとおり設置しているところである。

図 表

三の1について

 通信所の近くで必然的にテレビ受信障害が発生するとは考えていない。なお、御指摘の住宅密集地又は住宅地のそばにある通信施設の意味は必ずしも明確ではないが、現在までにテレビ受信障害が発生した通信施設及び当該施設が所在する市町は、次表のとおりである。

図 表

三の2について

 防衛施設庁は、通信施設周辺の地元要請等に基づき同施設周辺におけるテレビ受信障害の有無を調査し、テレビ受信障害が生じていた府中通信施設、所沢通信施設、深谷通信所及び依佐美通信所の周辺においては、所要の措置を講じているところである。

三の3について

 防衛庁が防衛施設の整備工事を行う場合において、関係法令に基づく所要の手続として事前に地方公共団体又は地域住民にその内容を知らせる必要があるときは、これを行つている。

四について

 自衛隊及び在日米軍の使用する防衛施設は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を守るため、必要不可欠のものである。