質問主意書

第113回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一四号

マグネシウムの摂取に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十三年十月十四日

塩出 啓典   


       参議院議長 土屋 義彦 殿


   マグネシウムの摂取に関する質問主意書

 近年、国民の栄養状態は著しく改善されているが、その一方で、食生活の洋風化による脂肪の過剰摂取や加工食品の増加による栄養バランスの偏り等が問題点として言われている。
 二十一世紀の本格的な高齢化社会を目前にした今日、食品の適正な摂取は、国民の健康の維持増進や成人病の予防という観点からも、極めて重要な意味を持つことは、述べるまでもない。
 しかし、飽食の時代、グルメブームという状況の中で、食品の過度の精製加工による微量栄養素、特にマグネシウムの欠乏が、成人病の一因として極めて憂慮さるべき状態にあるとの指摘が、多くの学者等からなされている。にもかかわらず、厚生省の国民栄養調査にも、科学技術庁の食品成分表にもこれは含まれておらず、調査・研究も大きく立ち後れているのが現状である。
 そこで、以下について質問する。

一 国民の栄養の現状、特に各種ミネラルの摂取状況について、政府はどのような認識をもつているのか。

二 多くの医学者や栄養学者等から、マグネシウムの欠乏は、高血圧、心臓病さらには、糖尿病、腎臓結石等の成人病の誘因となるとの警告がなされているが、政府はマグネシウムの生体における重要性をどのように認識しているのか。

三 科学技術庁は、同庁資源調査会作成の「日本食品標準成分表」にマグネシウム等の無機質を加えることの検討を開始するようであるが、今後の見通しと検討の目途を示されたい。特にマグネシウムについては、一刻も早く同成分表に加えるとともに、国民栄養調査においても、その摂取量を把握すべきであると思うがどうか。

四 昭和五十四年、五十九年の日本人の栄養所要量の改訂の際には、マグネシウムについてもその必要量を検討したが、所要量として示すまでには至らなかつたようである。現在、厚生省の第四次改訂日本人の栄養所要量策定準備委員会のミネラル委員会において、六十四年改訂の検討を行つているようであるが、その進捗状況と見通しを伺いたい。

  右質問する。