質問主意書

第112回国会(常会)

答弁書


答弁書第一六号

内閣参質一一二第一六号

  昭和六十三年六月二十八日

内閣総理大臣 竹下 登   


       参議院議長 藤田 正明 殿

参議院議員上田耕一郎君提出身体障害者の生活環境整備等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員上田耕一郎君提出身体障害者の生活環境整備等に関する質問に対する答弁書

一の(一)について

(1) 住宅対策については、昭和五十七年度から昭和六十二年度までにおいて、心身障害者のための公共住宅を二千七百七十一戸供給し、また、住宅金融公庫において心身障害者同居世帯向けの割増融資を一万二千二百二十三戸行つた。
 今後とも他の福祉施策との密接な連携の下にこれらの制度の的確な運用に努めることとしている。
(2) 建設省においては、新営庁舎の建設については身体障害者の利用を配慮した整備を実施し、既存庁舎の改修については身体障害者の利用を配慮して緊急性の高いものから逐次実施している。
 既存序舎の改修については、昭和五十七年度から昭和六十二年度までにおいて合計二十八億八千百万円により実施している。
 また、公共的色彩の強い民間の建築物についても、「身体障害者の利用を配慮した建築設計標準」の普及を図るとともに、当該建築設計標準に従い建築されるものに対し、日本開発銀行等による融資を行つている。
 今後とも引き続き身体障害者の利用を配慮した公共建築物等の整備改善を進めることとしている。

一の(二)について

 路線バスにリフト付バスを導入することについては、リフト操作に伴う要員増の問題、リフト取付経費の負担の問題等があり、身体障害者が路線バスによつて移動する場合の利便性を確保するための方策としては、当面、低床・広ドア式バスの導入を推進していくことが適当であると考える。なお、身体障害者の養護学校への通学輸送等の需要に応ずるため、特定旅客自動車運送事業やい一般貸切旅客自動車運送事業においてリフト付バスの導入は着実に進められており昭和六十三年五月三十一日現在、全国で二百八十九台が導入されているところである。

二について

 現在、身体障害者に対する有料道路通行料金及び鉄道等の運賃の割引制度は、割引による減収を一般的に他の利用者の負担によつて賄うことにより実施されている。
 当該割引制度の対象を現状以上に拡大することについては、これによる減収分の負担の在り方、身体障害者対策全般との関係等の問題があり、慎重に検討する必要があると考える。

三について

 御指摘の空港のうち、新岡山空港については、既に身体障害者用トイレが設置されており、また、新奄美、福江及び中標津の各空港についても、近くその設置が予定されていると聞いている。
 その他の空港については、当該空港を設置し、及び管理する地方公共団体に対して、今後とも身体障害者用トイレを設置するよう指導してまいりたい。