質問主意書

第112回国会(常会)

質問主意書


質問第一三号

公益法人の設立許可に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十三年四月二十二日

小川 仁一   


       参議院議長 藤田 正明 殿


   公益法人の設立許可に関する質問主意書

 日本写真家協会は、昭和二十五年に設立され、現在約千五百人の会員を擁する重要な写真家団体として、わが国写真文化の発展に寄与してきた。同会は今、文部大臣の主管に属する社団法人への移行の準備を進めているが、これを巡り内部の意見対立が激化していると伝えられている。その主要な対立点は、同会の現行会則の「目的」中にある「職能を確立・擁護」「表現および報道の自由確保」の趣旨が、新たに設立される社団法人日本写真家協会の定款中に盛り込まれるか否か、またそれによつて同会の性格がどうなるのかであるといわれる。そして、同会のニュースなどによれば、昭和六十年以来の文化庁担当者との事前相談において、「職能を確立・擁護」「表現および報道の自由確保」といつた表現を社団法人の定款中に記述することは適当でない旨が示唆されたかのように、理事会等において説明がなされている。
 もとより公益法人の設立許可にあたつては、その公益性等につき厳正な審査が必要であるが、その基準について恣意的な解釈がなされたり、主務官庁の助言等を通じて理不尽な介入が行われることがあつてはならないことはいうまでもない。わが国の文化・社会に大きな影響をもつ団体であるだけに、事は重要である。
 従つて、次の事項について質問する。

一 文部大臣の主管に属する公益法人の設立許可基準等については、昭和四十九年三月一日文部大臣裁定の文書で示されているが、この基準に照らした場合、定款の目的条項中に「職能の確立・擁護などの文言を持つ団体は、「設立を許可しない」団体にあてはまるとみなされるのか。また、表現および報道の自由確保」についてはどうか。

二 日本写真家協会代表者との事前相談において、文化庁の担当者が右の表現を定款中に入れないよう助言または示唆した事実はあるか。

  右質問する。