質問主意書

第110回国会(臨時会)

答弁書


第百十回国会答弁書第五号

内閣参質一一〇第五号

  昭和六十二年十一月二十七日

内閣総理大臣 竹下 登   


       参議院議長 藤田 正明 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出わが国の米軍飛行場周辺における爆音軽減措置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出わが国の米軍飛行場周辺における爆音軽減措置に関する質問に対する答弁書

一について

 厚木海軍飛行場及び横田飛行場については、それぞれ、昭和三十八年九月十九日及び昭和三十九年四月十七日に、日米合同委員会において日米両政府代表者間で、周辺地域に及ぶ騒音の軽減を図るための措置として飛行活動に関する制限、アフターバーナーの使用規制、飛行方法の規制、飛行高度の規制、ジェットエンジン試運転の制限、消音装置の設置、操縦士の教育等に関する措置が合意されている。
 米軍は、右合意に基づき各々の飛行場に係る運用上の所要を勘案した上で騒音の軽減についてできる限りの努力を行つているものと承知している。

二から四までについて

 我が国が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二条に基づき米国に施設及び区域として提供している飛行場のうち、厚木海軍飛行場及び横田飛行場以外の飛行場については、騒音の軽減を図るための措置に関する日米合同委員会合意は存在しないが、三沢飛行場、岩国飛行場、嘉手納飛行場等においても、米軍は、厚木海軍飛行場及び横田飛行場におけると同様に各々の運用上の所要を勘案した上で、騒音の軽減についてできる限りの措置を講じているものと承知している。
 政府としては、我が国における米軍施設及び区域の円滑かつ安定的使用の確保は、日米安全保障条約の目的を達成するために極めて重要であると考えているが、同時に米軍飛行場の騒音問題の実状及びそれに係る地域住民の要望も十分承知しており、必要に応じ米側の協力を求める外、騒音防止事業、民生安定事業等の諸施策の促進を図つてきたところである。今後とも、現実的観点より米側との接触を含め適切に対処してまいりたい。

五について

 昭和五十五年二月に開催された御指摘の三者連絡協議会の幹事会において、沖縄県側から嘉手納飛行場周辺上空での曲技飛行の禁止について提議があり、話合いが行われた際、米側から同飛行場の周辺上空での曲技飛行は自主的に規制している旨の発言があつたと承知している。
 また、米軍は昭和五十九年以降、運用上の所要が生じたことから嘉手納飛行場において急上昇、急降下等を伴う飛行訓練を行つていると承知している。政府としては、米軍に対し、この訓練に伴う騒音の軽減及び安全確保に努めるよう機会あるごとに申し入れているところである。

六について

 米空軍サンダーバーズ飛行隊は、本年秋、親善を目的として米本国より極東地域に派遣され、我が国においては、十月七日、嘉手納飛行場において展示飛行を実施したと承知しているが、米軍は同飛行の実施に際しては、その安全性と周辺住民への影響に十分に配慮したものと考える。
 政府としては、自由と民主主義という基本的価値観を共有する米国との間の幅広い友好信頼関係が増進することは望ましいことと考えており、今後とも、それに向け、努力してまいりたい。