質問主意書

第109回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第九号

内閣参質一〇九第九号

  昭和六十二年九月十一日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 藤田 正明 殿

参議院議員木本平八郎君提出死に対する患者の人権と医師の治療義務に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員木本平八郎君提出死に対する患者の人権と医師の治療義務に関する質問に対する答弁書

一、三、六及び七の前段について

 御指摘の点は、それぞれの患者の状況等に応じ、生命の尊厳を前提とし、社会的合意の得られる範囲内において、医学的判断に基づき、個々の医師と患者の関係において対応されるべき問題であり、政府として一定の見解を示すことは困難である。

二について

 政府としては、現時点において御指摘のような憲法解釈が一般的に認められているとは考えていない。

四について

 脳波がほとんど平たんになつた後ほぼ正常の脳波にまで回復する事例は、薬物中毒に起因する脳機能障害の場合等にまれに生じることがあるときいている。

五について

 個々の死の認定は、医師が社会的合意の得られた医学的判断基準に基づいて行うべきものであると考える。

七の後段について

 御指摘の点は、基本的には医療行為の在り方と関係する問題であるが、道徳、宗教等にもかかわるものであるので、生命の尊厳を前提とし、国民各般の意見や関係各方面の議論の動向をも見守りつつ、慎重に検討すべきものと考えている。