質問主意書

第109回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第五号

内閣参質一〇九第五号

  昭和六十二年八月十八日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 藤田 正明 殿

参議院議員喜屋武眞榮君提出戦傷病者戦没者遺族等援護法等の適用上の問題点に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員喜屋武眞榮君提出戦傷病者戦没者遺族等援護法等の適用上の問題点に関する質問に対する答弁書

一について

 沖縄における六歳未満の戦闘参加者に係る援護の措置の対象者数は次のとおりである。

図 表 1 戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号)による障害年金、遺族給与金及び弔慰金の各年度の裁定者数

図 表 2 戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)による療養の給付及び補装具の支給の各年度の対象者数

二の(1)について

 戦闘参加者として認める際の一つの判断の基準として、受傷死亡当時の年齢が、サイパン、テニアン等においては原則六歳以上、フィリピンにおいては原則十四歳以上としていることは御指摘のとおりである。

二の(2)について

 軍の要請に基づき、戦闘、弾薬・食糧の運搬、壕の構築等に一般的にみて何歳以上の者が参加させられたかを考慮し、法律を実際に解釈運用する際の行政上の判断基準として目安となる年齢を地域ごとに決めている。

二の(3)について

 サイパン、テニアン等の地域においては、一般住民の方々が軍と行動を共にし、学齢程度の子供も弾薬・食糧の運搬、炊事等戦闘行為をほう助したという事実があるが、フィリピンにおいては、幼い子供が軍の要請に基づき戦闘に参加したという実態は一般的には認められないので、基準となる年齢が異なつている。

三及び四について

 二の(3)についてにおいて述べたように、各地域の戦闘の状況により、一応の判断基準となる年齢を定めているが、これらの年齢に至らない者を戦闘参加者として認めるかどうかは、個々のケースの戦闘参加の実態を踏まえ慎重に対処してまいりたい。