質問主意書

第109回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二号

ペルシャ湾の安全航行確保問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十二年九月十八日

黒柳 明   


       参議院議長 藤田 正明 殿


   ペルシャ湾の安全航行確保問題に関する質問主意書

 最近、ペルシャ湾では船舶に対する無差別的な攻撃、機雷敷設が行われ、日本船籍のタンカーが被弾する事態にまで至つている。総原油輸入量の五十五%をペルシャ湾に依存しているわが国としても、ペルシャ湾での安全航行確保のために緊急に対策を講じる必要があるので、以下若干の質問をしたい。

一 ペルシャ湾での安全航行確保問題に対する政府の基本姿勢を明らかにされたい。

二 本問題を検討するために外務省内に特別作業班が設置され、倉成外相は「予断を持たずに、あらゆる角度から検討せよ」と指示されたと聞くが、検討内容として、(1)ペルシャ湾米軍と海上自衛隊との共同行動、(2)海上自衛隊によるペルシャ湾公海上の機雷の掃海、(3)海上自衛隊による日本船籍船の護衛、(4)ペルシャ湾米軍への直接の財政負担、(5)ペルシャ湾航行の安全確保のためにつくられる国際的枠組みへの負担、(6)米軍の間接的支援のための在日米軍への負担増などが伝えられているが事実か。また、それぞれの可能性についての政府の見解はどうか。不可能とする場合は、憲法上できないのか、法令上できないのか、政治上できないのかを明らかにされたい。また、検討結果によつては、法律及び条約等の改正もありうると考えているか。

三 本問題に関連して、中曽根総理は八月二十七日の衆議院内閣委員会で、「機雷掃海は武力行使ではないから、自衛隊を派遣しても海外派兵には当たらない」として、法的には可能との答弁をしているが、機雷掃海が武力行使に当たらないとする理由は何か。また、それは機雷の状態(例えば敷設された場合、浮遊している場合、所有権が明らかか否か)で異なるか。

四 自衛隊法第九十九条は機雷等の除去を海上自衛隊の任務としているが、これは平時におけるわが国周辺の海域を対象としたものではないのか。本条が適用される地理的範囲を示されたい。

  右質問する。