質問主意書

第108回国会(常会)

質問主意書


質問第一二号

那覇空港における管制用レーダーの電波障害に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十二年三月二十五日

喜屋武 眞榮   


       参議院議長 藤田 正明 殿


   那覇空港における管制用レーダーの電波障害に関する質問主意書

 昭和六十二年三月十七日付け琉球新報によれば、いわゆる「軍民共用」空港である那覇空港で、着陸誘導用レーダーの画像が乱れる電波障害が発生し、民間機の運航に支障を与えているとのことである。
 電波障害は一日平均二回も発生し、レーダー画面が真つ白になつたり、機影が一瞬消えたりするような画像の乱れは三十秒ないし二分間ぐらい続くという。航空機は、進入時の七分間と離陸時の四分間が最も事故の危険度が高いという。このような空港管制の重要な段階で、レーダー機能が障害を受けることは、重大な事故につながる危険性が強い。
 管制官らで組織する全運輸沖縄航空支部によれば、このような障害については、五年前から当局に対し指摘していたとのことであり、さらに、その障害の発生原因は、自衛隊那覇基地に配備されている航空自衛隊のF4ファントム戦闘機に搭載されたエアボーン・レーダー(敵機探索用レーダー)と那覇空港の海側に設置されている航空自衛隊の地対空ナイキミサイルの誘導レーダーである疑いが強いという。周知のとおり、那覇空港は、離島県沖縄と本土間を結ぶ、また、多島県沖縄の各離島と沖縄本島間を結ぶ、唯一の中核的民間空港である。従つて、民間機の離着陸の頻度が極めて高い。大事故が起こつてからでは遅いのである。「転ばぬ先の杖」ともいう。
 よつて以下の質問をする。

一 政府は、報道されている電波障害の事実を確認しているか。

二 政府は早急に原因を調査し、沖縄県民と国民の前に調査結果を明らかにすべきであると思うが、その用意はあるか。

三 調査の結果、その電波障害の発生原因が、先に述べた航空自衛隊の航空機搭載レーダー、またはナイキミサイルの誘導レーダーであると判明した場合には、防衛庁は、いかなる対策をとるつもりか、明らかにされたい。

四 何度も繰り返していうが、那覇空港の民間空港専用化は沖縄県民の悲願であり、また復帰の際の政府の公約でもある。しかしながら復帰十五年後の今日、未だに実現しないどころか、逆に自衛隊基地の強化の動きが見られることは、まことに遺憾である。
 政府も、私の質問に対する答弁書(内閣参質一〇八第二号)において、「自衛隊の使用する飛行場と民間の使用する飛行場は分離されていることが望ましい」と認めている。
 飛行場の分離を望ましいこととするならば、一日も早くそれを実現すべく努力することが、行政の責任である。那覇空港の飛行場分離計画の有無及び民間専用化のタイム・テーブルを示されたい。

  右質問する。