質問主意書

第107回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二号

関西国際空港に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によつて提出する。

  昭和六十一年九月二十七日

田代 富士男   


       参議院議長 藤田 正明 殿


   関西国際空港に関する質問主意書

 現在、大阪国際空港は、首都圏と並ぶわが国産業、経済、文化の二大中枢である近畿圏の重要なターミナルであると同時に東京国際空港、新東京国際空港と共にわが国の航空ネットワークの三大拠点を形成している。
 しかし、その周辺地域は市街地化し、騒音障害のため離着陸回数、時間等大幅な制限を受け国内、外の航空機乗入れの要望を十分に受け入れられない状況にある。
 従つて、関西国際空港の建設は、近畿のみならず、わが国にとつて緊急に必要なプロジェクトであり、その早期実現に向けて積極的な取り組みが肝要である。
 以上の観点から、以下の諸点につき質問する。

一 関西国際空港の着工は、当初の予定では六十一年春とされていたが、現在の進捗状況からは既に、半年以上の遅れが生じていると考えられる。
 着工の前提となる埋立免許の認可はいつになるのか、その見通しにつき伺いたい。また目標とするところの六十七年度末の開港は大丈夫か。開港時期の見通しを伺いたい。

二 交通アクセスに関して、阪神高速道路湾岸線は、近畿自動車道和歌山線と並んで周辺地域と新空港を結ぶ重要な路線となるが、昨年十二月に決定された関西国際空港関連施設整備大綱や、本年八月の阪神高速道路公団の基本計画では、空港開港時に全線開通されることになつていない。
 これが全線開通されないと、開港時に空港や臨海部に集中発生する大型車交通が既成市街地に流入し、都市環境の悪化や活動の停滞を惹起することが懸念される。従つて、空港開港時の大阪湾岸線の全線開通は必須の要件と考えるがどうか。併せて、全線開通されない場合どう対応するのか伺つておきたい。

三 次に、第2阪和国道は、関西国際空港へのアクセスのみならず大阪中心部と和歌山を結ぶ大動脈として地域の生活、産業に大きく貢献するものと期待されている。しかしながら、現状は、阪南町以南は計画決定すらされておらず、国道26号の慢性的な交通混雑とあいまつて地域住民に様々な影響を与えている。
 第2阪和国道の早期延伸が必要と考えるがどうか。

四 大阪国際空港への近畿全域、西日本からの広域的なアクセスを考える場合、定時性に優れた大量公共交通機関である鉄道の果たす役割は極めて重要である。
 空港連絡鉄道は、国鉄阪和線及び南海本線から分岐して空港に乗り入れる計画で、「大綱」において開港までに整備することとされているが、いまだ肝心の事業主体さえ決定されていないがその理由は何か。
 六十七年度末の開港に間に合わせるためには、用地買収を急ぐなど地元との協議を精力的に進めることが求められ、連絡鉄道の事業主体の早期決定と一日も早い事業の着手が望まれるがどうか。

  右質問する。