質問主意書

第104回国会(常会)

答弁書


答弁書第四五号

内閣参質一〇四第四五号

  昭和六十一年五月十六日

内閣総理大臣 中曽根 康弘   


       参議院議長 木村 睦男 殿

参議院議員飯田忠雄君提出憲法第七条をもつて衆議院議員たる公務員を罷免することに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


   参議院議員飯田忠雄君提出憲法第七条をもつて衆議院議員たる公務員を罷免することに関する質問に対する答弁書

一について

 衆議院の解散は、衆議院議員の全体についてその任期を終了させる効果を有するものであることは、憲法第四十五条ただし書に規定するところであるが、憲法第七条は、このような効果を有する衆議院の解散について、天皇が内閣の助言と承認によりこれを行う旨明文をもつて定めているのであるから、同条の規定により内閣が実質的に衆議院の解散を決定することが、憲法第十五条との関係で問題を生ずるとは考えない。

二について

 内閣が実質的に衆議院の解散を決定する権限を有することについては、内閣参質一〇四第二八号(昭和六十一年四月八日)の答弁書において述べたとおりである。
 すなわち、憲法第七条は、天皇は、内閣の助言と承認により、同条各号に掲げる国事に関する行為を行う旨を定めている。同条の国事に関する行為には、例えば「認証すること」、「儀式を行うこと」のように形式的・儀礼的なものもあるが、衆議院の解散のように国政に関するものが含まれており、このような行為も天皇が内閣の助言と承認によつて行うことは明文の示すところであり、天皇は、実質的に決定する権限を有しないのであるから、このような行為についての内閣の助言と承認は、内閣が実質的に決定することを意味すると解される。